換気のために窓は何cm開けるか
実践すべき対策のもう1つが「換気」だ。厚生労働省は「1時間に2回以上、2方向の窓を開ける」換気法を推奨している。感染対策に換気が有効なのは知られているが、夏の換気とは事情が異なる。窓を全開で空気を入れ換え、室温が下がりきった部屋で過ごしては風邪をひいてしまう。
「1時間に2回などの断続的な換気ではなく、2方向の窓を10cm程度、開けっ放しにする換気なら室温を保ちやすい。扇風機などを使って室内の空気を室外に押し出すようにすると、より効率的に換気ができます」(前出・一石さん)
また、浴室やトイレの換気扇を回したままにしておくだけでも換気につながるという。
間接的に換気を行う方法もある。KISHI CLINICA FEMINA院長の岸郁子さんはいう。
「複数の部屋がドアやふすまでつながっている場合、まずは誰もいない部屋を換気して新鮮な空気を取り込みます。その後、家族のいる部屋のドアやふすまを開けて、事前に換気していた隣の部屋の空気を取り込む。2段階で換気を行えば、室温の急な低下を抑えながら換気することが可能です」(前出・岸さん)
就寝時に窓を開けたままにしておくのは、気温的にも防犯的にも難しい。寝る前に寝室をよく換気しておき、布団に入る直前に窓を閉め、さらに枕元で加湿器を稼働させながら眠りにつくのがよい。
冬コロナ対策は、室内を暖めながら加湿と換気を同時に行うという面でハードルは高い。実際に、どのように組み合わせればいいのか。最強の加湿&換気術について、一石さんがこうアドバイスする。
「エアコンと加湿器を上手に組み合わせることに加えて、ウイルスを撒き散らさないという点でいえば、暖房は送風タイプではないものを有効活用するのがいいとも考えられます。暖房器具から風が出ないから室内が乾燥しないというわけではないので、加湿器を稼働させながら、洗濯物の部屋干しや濡れタオルをかけるなどして加湿する。同時に2方向の窓を開けて、継続的な換気を行うことが徹底した対策といえるのではないでしょうか」
今後さらに感染が拡大し、重症化リスクも高まる可能性がある“冬コロナ”。家庭内での対策は待ったなしだ。
※女性セブン2020年12月10日号