「ONK座談会」2002年開催時(撮影/山崎力夫)
「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さんが亡くなった。ミスターが、通算868本塁打の世界記録を持つ王貞治氏、史上最多の通算400勝をあげた“カネやん”こと金田正一氏との3人で丁々発止のやり取りを繰り広げてきた週刊ポストの新年号名物企画が『名球会ONK座談会』だ。長嶋さんを偲んで再録する。
「ONは敵であって敵でないから辛い」
2000年シーズンは日本シリーズで夢のON対決が実現した。そのオフにも、ミスターと王氏はONK座談会で顔を合わせている。
●2001年/長嶋巨人の日本一を受けて
金田:戦ってみてどうだった。
長嶋:ボクはもう御免。ノーサンキューだね。ON対決は2度とやりたくありません。
金田:おいおい、そんなにワンちゃんのことが嫌いか。
長嶋:そうじゃなくて、正直いってやりづらかった。なぜかといえば、ワンちゃんはやっぱり戦友なんです。時代の流れとはいえ、V9時代を築いてきた仲間と勝敗をかけて対決する環境が、ボクはやりづらかった。正直、トーンダウンしました。
王:そりゃ、牙をむき出して闘うわけにはいきませんよ。
長嶋:ボクがノーサンキューといったのは、勝負の世界ですから勝たないといけないのに、ONは敵であって敵でないから辛いのよ。