沖縄を訪問された愛子さま(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
日が落ちた沖縄・那覇市内。閑静な高台に位置する隠れ家風リゾートホテルは、かつてない熱気に包まれていた。隣接する公園に詰めかけた群衆が3000個の提灯をホテルの一角に向けて掲げると、その熱烈な思いに応えるように、室内でも左右に灯りが揺れた──。
6月4日から1泊2日の日程で、天皇ご一家は沖縄を訪問された。冒頭は、天皇ご一家の来県を提灯を灯して祝福する「提灯奉迎」での一幕だ。
「沖縄は、先の大戦で激しい地上戦が行われ、20万人以上が犠牲になった激戦地です。かねてこの地に心を寄せてこられた両陛下は、若い世代の愛子さまに、戦禍を体験した人々の話を聞いてほしいと考えてこられた。今回のご訪問は、その念願がかなった形です」(皇室ジャーナリスト)
梅雨も終盤にさしかかった蒸し暑い気候の中、現地ではご一家をお迎えしようという県民が訪問先などに殺到。県の発表によると、2日間で2万5000人以上にのぼったという。両陛下の「慰霊の旅」に愛子さまが同行されるのは、今回が初めて。期待感が高まる一方、ご訪問前には懸念点も浮上していた。
「沖縄ご訪問をひかえた5月25日、雅子さまは出席予定だった『全国植樹祭』の開会式を欠席されたのです。四大行幸啓の1つにあたる行事だけに、雅子さまの体調不安が心配されました。実際、沖縄にいらっしゃった雅子さまは、いつもより笑顔に張りがないご様子でした。
さらに沖縄は50年前、皇太子時代の上皇さまに火炎瓶が投げつけられる事件が発生した“因縁の地”でもあります。皇室の一員であるご自身がどのように迎えられるのか、愛子さまもどこか緊張されているようにお見受けしました。しかし蓋を開けてみれば、現地は盛大な歓迎ムード。あっという間に不安も払拭されたようです」(宮内庁関係者)
皇室の次世代を担う存在として、愛子さまが戦争体験者から歓迎を受ける場面もあった。
「学童疎開船『対馬丸』の生存者の男性が、『三代目もご一緒された。愛子さまがおいでになられたのは、非常に大きなことだと思います』と感動をにじませたのです。上皇さまと美智子さまが始められた“慰霊の旅”。二代目となる両陛下が受け継がれた“平和への思い”を継承する存在として、愛子さまへの期待の大きさが伝わってくる瞬間でした」(前出・宮内庁関係者)
※女性セブン2025年6月26日号