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瑛人の『香水』歌詞はOK、でも…「NHKと商品名」の最新事情

歌詞のなかの商品・企業名には寛容になったとの説あり(Getty Images)

歌詞に出てくる商品・企業名には寛容になったとの説あり(Getty Images)

 シンガーソングライターの瑛人が、大晦日に行われる『第71回NHK紅白歌合戦』に出場することが決定した。彼をめぐって世間が注目していたのが、「大ヒット曲『香水』のサビはNHKで歌えるのか?」ということだ。「ドルチェ&ガッバーナ」と高らかに歌い上げるサビが同楽曲の最大のポイントだが、公共放送であるNHKは、特定の商品名やメーカーを出すのを嫌うことで有名だ。そのため「『香水』はNHKでは歌えないのではないか」と心配されていただけに、紅白で『香水』が元の歌詞のまま歌えるとわかったときは、安堵するファンも多かった。

 かつて南こうせつは、「かぐや姫」時代に紅白出場が確実視されたが、『神田川』の歌詞にある「クレパス」が商品名であるため「クレヨン」と変更することをNHKから求められてしまい、出場を辞退する結果となった。そういった逸話が残っているだけに、瑛人を心配する人々も多かったのだろうが、結論から言えば、近年のNHKは少なくとも歌詞に関しては寛容なようだ。

 シンガーソングライター・aikoが2000年に紅白に出場した際、『ボーイフレンド』の歌詞に「テトラポット」と出てくることが注目された。ただ、消波ブロックの正式な商品名は「テトラポッド」。一文字の違いにより、歌詞の変更は無事避けられた。

 紅白の話ではなくなるが、HKT48が2015年に『MUSIC JAPAN』(NHK)に出演した際、『12秒』の中で「テトラポッド」という歌詞をばっちり歌っている。また、瑛人の『香水』も、まだ紅白初出場が決まる前の11月3日に生放送された『おげんさんといっしょ』の中で「ドルチェ&ガッバーナ」と歌われていたのだ。

 放送法第83条では、「協会は、他人の営業に関する広告の放送をしてはならない」と定められている。こちらに基づいて、NHKは特定の商品名を出さないように番組制作を行なっているのだが、もちろん例外は存在する。

「NHK放送ガイドライン2020」では、「放送やインターネットサービスなどで企業名などを使う場合」として、「本質的に必要なのか、その他の表現に置き換えることはできないのか」「視聴者の理解を助けることになるか」「ライバル企業などから見て、著しく不公平でないか」「構成や演出上やむを得ないか」といった点を判断の基準にすると明記されている。上記のポイントに照らし合わせた結果、「歌詞はやむなし」と判断されることが増えていったのかもしれない。

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