国内

PL教団3代教祖・御木貴日止氏が死去 後継者問題に注目集まる

PL教団の象徴となっている大平和記念塔

PL教団の象徴となっている大平和祈念塔

 春夏の甲子園で通算7度の優勝を果たした、名門・PL学園の硬式野球部が活動を休止してからおよそ4年──。学園の母体であるパーフェクトリバティー教団(以下、PL教団)もまた、新たな時代を迎えようとしている。同教団の3代教祖・御木貴日止(みき・たかひと)氏が12月5日に亡くなっていたことが分かった。63歳だった。『永遠のPL学園』などの著書があるノンフィクションライター・柳川悠二氏がレポートする。

 * * *
「12月2日はおしえおや様(PL教団での教祖の呼称)の63歳の誕生日で、(大阪府)富田林市の教団の聖地では式典が行われました。体調に不安のあるおしえおや様もその日は講話をされた。ところが、4日に体調が急変して病院に運ばれ、翌朝に亡くなったそうです。8日の密葬には、全国の教会から教師(いわゆる布教師)が聖地に集まります」(教団関係者)

 密葬が行われている時間帯に、私は聖地の外周を歩いた。全国から200人近い教師が集まっているというが、入場ゲート付近には確かに喪服を身に纏った信者の姿があった。

 PL学園野球部が活動休止となった時の教団トップである貴日止氏の今回の訃報と、気になる後継者について、PL教団の渉外課に詳細を訊ねたところ、

 「5日に亡くなられたのは事実です。(後継者問題については)ノーコメントです」

 という回答だった。教団は5日の夕刻には全国にある教会に教祖死去の連絡を入れている。一部を抜粋して紹介する。

〈私たちがおしえおやと仰ぐ御木貴日止教主が今朝ほど、忽然として神去られました。私たちを日々お守りくださっていたおしえおやの神業は天界にかえられてしまいました〉

 PL教団は、戦前にあった「ひとのみち教団」を前身とし、その2代教祖だった御木徳近(とくちか)氏が1946年に佐賀県鳥栖市で立教した神道系の新宗教だ。徳近氏は「人生は芸術である」をPL処世訓の第1条に掲げ、信者の芸術活動を推進して教勢を拡大していった。その象徴がPL学園の野球部である。1970年代から80年代にかけて、教団からのバックアップを受けて全国から選手を集め、甲子園のアルプス席に巨大な「PL」の人文字を描く。教団名を世に広め、1980年代に信者数は公称260万人超にまで拡大していった。

 広大な聖地には大平和祈念塔が建てられ(1970年建立)、小中高の一貫校であるPL学園やPL女子短大(2009年に休校)、看護学校などを設立。近隣には教団が管理するゴルフ場があり、かつてはPLランドという遊園地もあった。

 教団にとって大きな転機となったのが1983年だ。徳近氏が逝去し、妻側の一族から養子に迎えていた貴日止氏が25歳の若さで教団を継承する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

筒香が独占インタビューに応じ、日本復帰1年目を語った(撮影/藤岡雅樹)
「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
【仕事こそ人生でも最後は妻と…】小倉智昭さん、40年以上連れ添った夫婦の“心地よい距離感” 約1年前から別居も“夫婦のしあわせな日々”が再スタートしていた
女性セブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン