中国のチベット族居住区では、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世やチベット仏教に対して厳しい政策をとっていることもあって、反中的な機運が強い。しかし、中国国営の中央テレビ局は中国政府のチベット族に対する融和的な対応を強調するため、丁さんのインタビューを放送した。丁さんは「いろいろな勉強をして文化の発展と故郷のPRに貢献したい。与えられた仕事をしっかりとやって、夢を達成できるよう頑張りたい」などと話している。
しかし、チベット族社会ではこの展開を警戒する見方もある。米政府系報道機関「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」では「丁さんは漢族(中国人)とチベット族の融和のシンボルとして、明らかに中国に利用されている。それは、中国のチベット族のために本当に良いことなのだろうか」との同自治州のチベット族社会の住民の声が紹介されている。