国際情報

チベット族青年がネットで人気に 中国政府のPR利用に懸念も

チベット族の青年が美青年スターとして注目を集めている

チベット族の青年が美青年スターとして注目を集めている

 中国四川省のガンゼ・チベット族自治州に住む20歳のチベット族男性が、観光客が偶然撮影していた動画で人気に火が付き、地元の県(日本の市・郡に相当)の宣伝大使に任命されることになった。さらに、中国国営の中央テレビ局のインタビューを受けたことで一気にブレイク。いまや全中国で名前を知られる美青年スターとなり、地元を訪れる観光客が1か月で20%も増加するなど、大きな社会現象となっている。

 一方、同自治州の住民は大半がチベット族で、中国政府のチベット仏教弾圧政策に抗議して、チベット仏教僧が焼身自殺を繰り返しているほか、住民と警官隊の衝突もたびたび伝えられている。そういった状況の中で、地元ではこの美青年を反中キャンペーンに利用しようとの動きも一部には出ているという。

 スターとなったチベット族男性は丁真さん。同自治州理塘県に住んでおり、両親の農作業を手伝っている際、たまたま訪れた観光客がカメラを見つめながらゆっくりと歩き、微笑みかける丁さんの表情を撮影。この動画を投稿サイトにあげたところ、「野生的でありながら純粋だ」などとコメントが相次ぎ、270万を超える「いいね」がついたという。

 この人気に目をつけた理塘県政府は丁さんを観光大使に任命。「チベット族の伝統衣装を身にまとい、澄んだ瞳に、さわやかな笑顔で、馬を自由自在に操って大地を駆け巡る」というキャッチフレーズで売り出し、中国はもちろん、世界各国の中国大使館・総領事館などの公式YouTubeに配信している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト