1975年ごろに日本人が食べていた“いわゆる一汁三菜”がいちばん体質に合うという

日本食は2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された(写真はイメージ)

日本人の腸内ビフィズス菌はアメリカ人、中国人の20倍

 かねてから予想されていたように、冬場の流行シーズンを迎えて日本も感染者数が増加、正念場を迎えている。とはいえ、前述したように日本のコロナ感染者数や死亡者数は欧米に比べれば非常に少ない。

 札幌医科大学の統計によれば、人口100万人あたりの死者数は、アメリカが50人、フランスが約40人。ドイツでも36人のところ、日本は約2人。その背景には、きちんとマスクを着用したり、手洗いやうがいを励行する人が多い日本人の衛生観念の高さを指摘する専門家が多いが、どうやらそれだけではないようだ。秋葉原駅クリニックの医師・大和田潔さんが解説する。

「欧米人と日本人では、食べている食品が違います。コロナ感染者数がさほど多くないのは、和食により野菜や魚などからバランスよく多くの栄養素と発酵食品を摂取できるところにあるのではないかと推測しています」

 和食の持つバランスは欧米の食事と比較して、より体にいいと考えられているようだ。

「納豆以外にも、フランスでは緑茶や、魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸の摂取が重視されていて、お寿司も人気があります。フランス人はあまり流行に振り回されない国民性なのですが、いまは『日本食に学ぼう』という、静かなムーブメントを感じます」(ヴェイサードさん)

 2013年には「和食・日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録された。これは新鮮な山・海の幸を使ったり、食材の持ち味を引き出す工夫、美しく盛り付ける技法などが評価されたものだ。そして何より、ご飯やみそ汁、魚や野菜、山菜といったおかずなどによってバランスよく食事が構成されていること、そして動物性油脂を多用せず長寿や肥満防止に貢献していることなどが世界から認められた結果だ。大和田さんも、患者への食事指導は和食中心で行っているという。

「糖尿病など生活習慣病患者はもちろん、片頭痛持ちの人も、和食に切り替えることで症状が治まることがある。それだけ、私たちの体質に合っているということでしょう。日本食の特徴は多様性があることです。食材も調理法もさまざまで、調味料も幅広くあることが挙げられる。

 栄養面で見ても、食物繊維やたんぱく質、炭水化物などがバラエティー豊かに含まれる。こういった多くのものを幅広く摂れる食事というのは人間にとって、まさに理想。腸内細菌にとってもよい環境で、腸管免疫が整い、全身の免疫を維持します」

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