スナックは熟成された“ぬか床”

──行政は時短要請に応じた事業者には協力金を支給するとしています。

玉袋:もろ手を挙げて喜んではいられないよね。国の106兆円もの予算を心配しちゃうよ。そりゃ、貰えるもんは貰いたいけど、すべてがおんぶに抱っこでいいのかって。こっちにも意地があるからね。

 だけど、国の財政が心配になると、すべてが不安になっちゃうんだよね。そんな時だからこそ、トップの人が、我慢した先には夢と希望があることを宣言してもらわないと、みんな心理戦で参っちゃうよ。我慢の先に何があるのか、嘘でもいいから言ってほしいね。

 人間の心理なんて、うまくやりゃおまじない次第でさ、いい方向に向かうわけじゃない。みんなのマインドを明るくしていくことが大切だと思う。オレはよく言っているんだけど、“ネガティブな報道”と“明るい嘘”があったら、俺は明るい嘘に張るよ。

「国のトップは、我慢した先に夢や希望があると宣言して欲しい」と玉袋

「国のトップは、我慢した先に夢や希望があると宣言して欲しい」と玉袋

──明るい展望がない中でみんなが家に引きこもったら、地域コミュニティの場としての存在価値もあるスナック文化は失われてしまいますね。

玉袋:地方では生存確認の場だったりしますからね(笑い)。まあ、冗談じゃなく、今はスナックという素晴らしい場が絶滅の危機に瀕しているっていう状況になってるんですよ。なくなっちまったらどうなるんだ。

 スナック文化の灯りを消すのは簡単だと思うよ。でも、先輩方が築いてくれた熟成された夜の街の文化を再興するのは大変だよ。そう、スナック文化は、いい“ぬか床”なんだよね。これを残していくにはお客さんが出たり入ったりする繁盛という“攪拌(かくはん)”が必要なんだね。

 全部コロナが悪いんだけどさ、ここで日本が誇るスナック文化をダメにするわけにはいかないよね。

「陰ながらスナック文化の再興を応援したい」と玉袋

「陰ながらスナック文化の再興を応援したい」と玉袋

【プロフィール】
玉袋筋太郎/1967年、東京都新宿区出身。ビートたけしに弟子入りし、1987年に水道橋博士と「浅草キッド」を結成。現在はテレビ・ラジオ番組やイベント出演、書籍執筆など幅広く活動中。一般社団法人「全日本スナック連盟」の会長として、スナック文化の啓蒙に取り組み、SNSの拡大にも努めている。2020年11月より「玉ちゃんの“夜の街”応援プロジェクト」始動。YouTubeチャンネル「玉袋筋太郎の『夜Tube』」も配信中。

●聞き手/山田稔(ジャーナリスト)
●撮影/内海裕之

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