スナックのサバイバル術を広める「応援プロジェクト」
──コロナの長期化で、飲食店の倒産が今年1年で800件超えが確実と言われています。スナック業界を取り巻く環境も非常に厳しかったのでは?
玉袋:その800件っていう数字は負債1000万円以上の店でしょ。スナックって個人経営の店が多くて、30万、50万円でもお手上げのところがたくさんあると思うんですよ。だから、実態はもっと深刻でね。コロナで閉店したスナックの中には、ちゃんとした手続きをとって閉める店もあれば、夜逃げする店もあるって聞いてます。もう惨憺たる状況ですよ。
しかも、1店舗潰れたとしたら、その店には4、5人の従業員がいるわけで、彼ら彼女らも路頭に迷うわけ。(メディアは)何で、そういう数字を出さないんだろうね。さらに言えば、仕入れ先の酒屋さんやおしぼり屋さんにも影響が出る。店を畳んだ数は出てるけど、その背後にある影響は膨大だと思いますよ。
店内には感染予防対策を促す「玉ちゃんアラート」が貼り出されている
──玉袋さんのお店の状況はいかがですか。
玉袋:ちゃんと感染予防対策をしながら営業してますが、やっぱり厳しいよね。まず満卓30人のところを15人にした。その時点で売り上げは50%減。その後、持続化給付金などを申請して全部もらったけど、それでも年間ではマイナス60%ですよ。だって緊急事態宣言が出た4月、5月は営業自粛要請を受けて、その通りにやったので売り上げゼロだからね。
──そうこうしているうちに第3波が来て、再び時短要請が出ています。そうした中、11月月末から「“夜の街”応援プロジェクト」を始められましたが、取り組み状況はどうですか。
玉袋:プロジェクトとしては、まずは感染予防対策をしっかりやろうということで、精神論ではなく工夫して生き残るための具体的な“サバイバル術”をホームページなどを通じて広めてます。年末にまたこんな状況になっちゃいましたが、これまでと変わらず“楽しいナイトライフ”を味わえるよう、引き続きスナック業界を盛り上げたいと思ってるんです。
各テーブルはアクリル板で仕切られ、消毒液や飛沫対策空気清浄機も置かれている