国内

猪瀬直樹氏 五輪中止論者の感染リスク主張に「無責任な感情論」

猪瀬直樹氏は今年の五輪開催についてどう考える?(写真/共同通信社)

猪瀬直樹氏は今年の五輪開催についてどう考える?(写真/共同通信社)

 2020年に開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い「1年延期」となった東京五輪。果たして2021年に開催するべきなのか否か、世間でも意見が割れている。元東京都知事で作家の猪瀬直樹氏に見解を聞いた。

 * * *
 東京都知事だった私にとって、五輪招致の大きな狙いは「リーマンショック、東日本大震災によって閉塞感に覆われていた重い空気を吹き飛ばす」こと、そして「国民・都民がスポーツの観衆になるだけでなく、自らスポーツに親しんでほしい」ということでした。

 健康寿命を延ばし、43兆円とも言われる国民医療費を少しでも削減したい。国民のライフスタイルを変えることが本来のテーマだったわけです。

 私は都知事時代、その大テーマを積極的にアナウンスしてきたつもりだが、現在はその意義が置き去りにされ、マスコミによって「感染リスクが大幅に高まる」「莫大な予算がかかる」など負の部分ばかり喧伝されている。

 反対論者は開催時の感染リスクを主張するが、それは具体的なデータを伴わない、無責任な感情論に過ぎません。

 PCR検査など、入国・出国時、選手村滞在時の選手の管理をしっかりやる。プロ野球などこれまでのスポーツイベントのデータをもとに、観客の入場制限もきちんと実施する。冬が終わり、3月にワクチン接種が開始されれば感染局面は収束に向かっていく。科学的なエビデンスに基づいて対策をきちんと実行すれば、コロナを過度に怖れる必要はありません。

 むしろこのタイミングでの五輪開催は、秩序ある日本人の行動が感染を抑え込んでいると世界に示す絶好の機会でもある。知恵を使って危機管理の成功例となることが重要です。

※週刊ポスト2021年1月15・22日号

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン