芸能

池脇千鶴、『その女、ジルバ』の熟女ホステス役は“事件”だ

(時事通信フォト)

(時事通信フォト)

 女優・池脇千鶴(39)が主演の深夜ドラマ『その女、ジルバ』(東海テレビ、フジテレビ系)が、放送開始早々に話題となっている。ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏が、同作の人気の秘密を読み解く。

 * * *
 冬ドラマの放送が始まっている。女優の池脇千鶴さんが民放局の深夜ドラマに主演する……という情報を聞いてから、ドラマオタクの心が「あの、ちぃちゃん(池脇の愛称)が……?」と、ざわついた。その作品が『その女、ジルバ』だ。

 10代から女優として活動、各所で確かな演技力を絶賛される彼女が、2021年の最初の舞台に選んだのは、深夜ドラマだった。この第一話の放送は反響も大きく、SNSでも「池脇千鶴」や、ドラマタイトルなどのワードがトレンドに上がっていた。何が視聴者を惹きつけているのかを、紐解いていきたい。

深夜放送“大人の土ドラ”枠の最高視聴率をマーク

 池脇千鶴さん演じる『その女、ジルバ』の主人公は、40歳なのに男も夢もなく、仕事もアパレル店員から物流倉庫へ異動させられた笛吹新(うすい・あらた)。新は自分を変えたいと、ふと目にした超熟女バーのホステス募集に申し込む。60〜70代のホステスが揃う店内で、新は若手だと“ちやほやされる”という、久々の感覚を覚えて、新しい自分を開拓し始めるという内容だ。

 放送枠は「大人のドラマ枠」と呼ばれる、23時40分からの深夜放送。2016年4月からこれまでに約30作品が放送された中、今回が最高視聴率を記録した。名古屋地区で9.2%、関東地区では6.3%と第一話の放送は好発進している。

 人気の理由はいくつか挙げられるけれど、まずは女優・池脇千鶴さんが主演であることを推したい。全国的に著名な人ではあるが、出演作は映画がダントツに多い。印象に残っているのは、妻夫木聡とのベッドシーンが話題になった『ジョゼと虎と魚たち』(2003年公開)。静かそうな雰囲気を醸し出しつつ、最終的には力強い爪痕を残す、それが池脇さんの演技だと思う。

 もちろん、テレビドラマに出演していないわけでもなく各局で活躍を見せていて本作の以前には『ごめん、愛してる』(TBS系・2017年)にも出演。ただ歴代の出演作を見ていると気付くのが、近年はNHK制作のドラマに数多く出演していること。

 NHKと聞くと、たくさんの俳優たちが出演を目指す朝ドラや大河を放送する、由緒正しき、真面目な放送局のイメージが漂う。そんなNHKに若手のうちから愛されて育ってきた池脇さんが、民放局でホステス役を演じるというのは画期的であり、これは2021年早々のドラマ界における事件だと思う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン