ゲームの大会に臨む著者のすいのこ氏(左

ゲームの大会に臨む著者のすいのこ氏(左)

 精力的な活動が認められ、2018年3月に宮本さんはデトネーターと契約。2018年8月には『EVO 2018』で優勝して世界王者となった。順風満帆と言えるプロゲーマーとしてのキャリアを歩んでいた彼だが、その後、選手としての活動を休止することとなる。きっかけは、奇しくも自身が世界を目指す原点となった公式大会『ARMS JAPAN GRAND PRIX』だった。

「今思い返すと、その頃には司法試験の四文字が頭の中にちらついていたのかもしれません。そんな中で出た2018年の公式大会でベスト8という順位で終わってしまい、結果という形でその事実を突きつけられた。全力でゲームに取り組めていないなと自覚して、はっきりさせたほうがいいと思い、司法試験の勉強に完全に切り替えました」

 一般的には数年かける司法試験への勉強を半年ほど猛勉強した結果、司法試験に見事一発合格。そして2020年12月、1年間の修習期間を終え、正式に弁護士としてのキャリアをスタートさせた。

 世界大会での優勝と弁護士という2つの道を歩んだ宮本さんから見て、弁護士とプロゲーマー、どちらのほうが難しい職業だと感じるのだろうか。

「その職業に就くための難しさは……正直、単純に比較が出来るものではないのかなと思います。人によって向き不向きがありますし、本気でなりたいという情熱さえあれば多分どちらもなることはできると思います。ただし、続けるのはプロゲーマーの方が難しいのではないかと思います」

 その理由として、“流行り廃り”とトップ選手として居続けることの難しさの二点が大きいと宮本さんは語る。

「いくらトップの実力を持っていても、タイトルの人気が落ちれば自然と淘汰されていく。かと言ってタイトルを変えて勝負したとしても、ゲームシステムが違ったりするためそれまでに培った技術が通用するかは分からない。それだけでなく、新しい選手が次々と台頭してくる中で最上位の集団に居続けることもかなりの努力が必要。とても厳しい世界です」

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン