弁護士も非常に厳しい世界だが、積み重ねた信頼や技術がそのまま自分の武器になる。一方、ゲームは培った技術が一瞬にして崩れ去るリスクを常に抱えながら勝負しないといけない脆さがあると言える。弁護士とプロゲーマーの両方を経験してきた宮本さんの今後の展望は「ゲームメーカー側とプレイヤー側の架け橋」になることだと言う。
「日本のeスポーツ業界はまだ発展途中で、ルールや仕組み作りの整備が課題だと言えます。大会規約、選手とチーム間での契約、ゲームメーカーが策定する配信などにおける著作権に関するガイドラインなど……挙げだせばきりがありません。そういった仕組みづくりに携わることを通じて、ゲーマー出身の弁護士だからこそ役立てることを続けていきたい。今は弁護士としての活動に全力を注ぎたいと考えていますが……今後、次回作が出たりしたらプロゲーマーとしても本気を出すかもしれません(笑)」
取材・文/すいのこ
【プロフィール】すいのこ/1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。本名・桑元康平。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務を経て2019年5月より、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド株式会社のスポンサードを受け「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動開始。近著に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』。