芸能

長瀬、玉森らの熱演も話題 ドラマに増加する「こじらせお坊ちゃま」

『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』にも

『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』では玉森裕太が大金持ちの息子役(写真は公式HPより)

 ラブストーリーから、時代劇、ホームドラマまでさまざまな冬ドラマが放送され始めたが、そんな中でドラマのカギをにぎる役に、あるキャラクターが増えているという。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * * 
 最近のドラマに欠かせないキャラクターといえば、「こじらせお坊ちゃま」である。

『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』の主人公・鈴木奈未(上白石萌音)は、就活を頑張り、なんとかファッション誌編集部に配属されたものの、鬼編集長の宝来麗子(菜々緒)の雑用に振り回され、いつも転びそうになっている毎日。

 その奈未がある日、カメラマンの潤之介(玉森裕太)に「見合いを断るため」と偽装彼女になることを頼まれる。彼の母(高橋ひとみ)は、実業家で大金持ち。息子が早く身を固め、自分の後継者になることを願っているのだ。はじめは偽装彼女だったはずが、だんだん二人は急接近!? うーん、あるある…と思っていたが、なんと潤之介は麗子の弟! 高橋ひとみににらまれるだけでも大変なのに、菜々緒の目も光っているとは。萌音は命がいくつあっても足りないのである。

 一方、現代にタイムスリップした江戸吉原の花魁仙夏(岡田結実)が騒動を巻き起こす『江戸モアゼル』には、蔵地俊輔(葉山奨之)がいる。俊輔は、マスコミからも注目される新進企業の社長である父とは三年も連絡をとらず、ぼんやりした叔(ココリコ田中直樹)の家に居候中なのだ。叔父もその娘も豪華な着物姿の花魁がタイムスリップしてきて、同居することになってもたいして驚いていないところは笑えるが、俊輔だけは嫌な顔。

 しかも俊輔には、高校時代から片思いの春日(吉谷彩子)がいるのに、仙夏も気になっている様子なのだ。おまけに春日が勤めるウェブ広告会社の社長(前田公輝)が仙夏が吉原時代に熱烈に恋した「直さん」にそっくりで、三角なのか四角なのかわからない恋模様になっていく。

 思えば、昨年の『おカネの切れ目が恋の始まり』でヒロイン玲子(松岡茉優)と出会う困った浪費男子の慶太(三浦春馬)もおもちゃメーカーの御曹司だった。

 偶然出会った男が、実は「家業を継がず、ちょっとこじらせてるお坊ちゃま」。無欲でキラキラな王子様との遭遇。これは今も昔もラブコメの王道といえる。息苦しい時代、明るく笑えるドラマがいい。だとしたら、やっぱり王子様は欠かせないのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン