老舗EVメーカーのメンツを保てるか
日産は復活のカギを握る新商品を今年、いくつか市場に投入する。そのひとつはすでに投入計画が公表されているバッテリー式電気自動車(BEV)の「アリア」であろう。
今日、BEVブームが世界的に過熱している。そのトップランナーは言うまでもなくアメリカのテスラだが、日産は2010年、量産型BEVとしては世界初となる三菱自動車「アイミーブ」に後れることわずかというタイミングで「リーフ」を発売したBEV界の老舗。しかも、その三菱自動車も今や日産傘下企業としてルノー=日産アライアンスに入っている。
テスラに伍することはできないまでも、それ以外の普通のカーメーカーの後発BEVに大きな顔をされては、10年先行してきたメーカーとしてはメンツ丸潰れである。
アリアは前輪駆動とAWD(4輪駆動)の2種類が存在するが、AWDは前後に2個のモーターを持ち、100%後輪駆動から前後輪50:50、さらに100%前輪駆動までと、駆動力配分を連続的に変化させる「e-4ORCE(イーフォース)」というシステムになるという。
公表されている動力性能は最速グレードで0-100km/hが5.1秒。額面通りであれば、テスラほどではないにせよ、それ以外のレガシーブランドのSUVの中ではトップランナーを狙えるレベルだ。このアリアの出来は、日産ブランドの復活を占う試金石となろう。