ビジネス

日産自動車に復活の兆し? 怒涛の反転攻勢占う「3モデル」の期待度

今年発売が予定されているバッテリー式電気自動車(BEV)の「アリア」

今年発売が予定されているバッテリー式電気自動車(BEV)の「アリア」

 深刻な業績悪化に伴い、工場閉鎖等のリストラを進めてきた日産自動車だが、ここにきて財務体質に余裕が出始めているとの報道も。今年は新型車の発売や既存車種のモデルチェンジも次々と予定している日産だが、果たして復活の狼煙となるのだろうか──。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がレポートする。

 * * *
 クルマを世に出す準備である完成検査を巡る不正、カルロス・ゴーン元会長の追放劇に始まった経営の混乱、そして巨額の最終赤字など、ここ3年ほどまるでいいところのなかった日産自動車。だが、ここにきて変化の兆しが見え始めている。

 昨年末、主力商品のファミリーカー「ノート」をフルモデルチェンジした。旧型は欧州市場でも販売されていたが、新型は日本市場をメインにASEAN(東南アジア)やインドなど右ハンドル圏専売である。

 速度の高い国向けがなくなったことでさらに低コスト化するかと思いきや、クルマを作るベースのプラットフォームは旧型がアジア向けの低価格車用だったのに対し、新型は欧州市場をメインターゲットとするルノーの同格モデルと共通のものへと、逆に引き上げられた。

 当然価格は上昇するので販売の難易度は上がるのだが、日産はあえて難しい道を選んだ。西川廣人前社長はゴーン前会長放逐のクーデター前から「安物依存はやめる」と宣言していたが、ささやかながらもそれが形になったと言える。

 一方で年明けの1月18日、日産が契約社員約800人を正社員化するという報道が駆け巡った。海外の不要な工場を閉鎖するなど身を切るリストラを行ったことによって財政的に余裕が出てきたため、人件費に経営の原資を手厚く投じることができるようになってきたのだという。

 クーデター後、事業集約によって2023年度に営業利益5%の黒字体質を確保するという窮余の経営再建を打ち出した矢先にコロナショックに直面した日産。依然として世界経済の先行きが不透明な中、2021年度はその成否を占うきわめて重要な1年となるのだが、果たして復活はなるのだろうか。

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン