「ずっと真夜中でいいのに」のMVはアニメ映像で、顔は出していない(公式サイトのYouTube画像より)

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「特に自ら情報を隠してきたということではないのですが、徹底的に作品重視でありたいと思っております。それと、音楽はしたいのですが、人前で歌うのがなかなか恥ずかしいのもあります」(Unknown Kun)

 Unknown Kunはさらに、素性を明かさないことで年齢に捉われず活動を続けることができるメリットがあると語る。

「(素性を明かさないことのメリットは)年齢がいくつでも無理なく続けられることではないでしょうか。僕はまだまだですが、素性を明かさないことで今の時代才能ある方々には有利に働いていると思います」(Unknown Kun)

 一方、2017年にメジャー・デビューを果たし、メディアに出る際は“れ子ちゃん”というクマのキャラクターがビジュアルを担当するシンガーソングライターのコレサワは、音楽の題材となるような「普通の生活」を守るために雑誌やテレビで顔を出さないのだという。

「(メディアに顔を出さないのは)恋人ができた時、どんな場所でも手をつないでデートしたいと思ったからです。世の中の女の子達と同じように過ごせなくなったら嫌だなーと。日常から溢れた気持ちを曲にしたかったので、普通の生活を守るためにも顔を隠すことにしました!」(コレサワ)

 メジャー・デビュー・アルバム『コレカラー』に収録されている「たばこ」がYouTubeで4000万回以上の再生回数を記録する大ヒットとなったコレサワだが、素顔を隠すことでリスナーが楽曲に感情移入できるという側面もあるようだ。

「私の歌は物語の表現が濃いのが特徴だとおもっています。なので私の顔が出てない方が、みんながより歌の主人公に共鳴できるんじゃないかなーと思っています。あと、歌唱収録の当日に大きいニキビが顔にできた時、『顔隠しててよかったー』って思いました」(コレサワ)

 コロナ禍で従来のようなライヴ・エンタテインメントの開催が難しい状況が続いている昨今。オンライン偏重になるのもよくないが、作品それ自体を重視する匿名ミュージシャンたちにとっては、インターネットを通じて自らの才能をより自由に発揮できるようになっているのかもしれない。

◆取材・文/細田成嗣(HEW)

音楽性を高く評価されているアヴちゃん

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