トランプ支持の過激集団は全米各地で集結している(AFP=時事)

トランプ支持の過激集団は全米各地で集結している(AFP=時事)

 日本人にはわかりにくいかもしれないが、白人至上主義を掲げる過激派は、いわゆる人種差別主義者とは少し違う。人種差別は、主に多数を占める人種が少数の人種を差別的に扱うことだ。もちろん許されることではないが、程度の差こそあれ、世界中のどこでも起きている現実である。アジア人が白人の集団に入っても、白人が黒人の集団に入っても、そのような被害に遭うことはある。

 しかし、白人至上主義者の基本的な信条は、人種には明確に優劣があるというものだ。人類のなかで白色人種が優れていて、それ以外の人種(黒人やモンゴロイド、アラブ系、インド系などはもちろん、北アフリカ系などの有色コーカソイドを含む)は劣っているという考え方で、人種によって人間としての能力に差があると主張する。もちろん科学的根拠などないが、古くはダーウィンも似た思想を持っていたというくらいだから、白人社会では古く、根強い意識でもある。

 ほとんどの国の憲法や国連憲章で人種差別は禁じられ、強く非難されている。奴隷制度の歴史を持つアメリカは、実は人種差別の克服が遅かった国のひとつだが、それでもキング牧師の公民権運動以降は、人種差別を恥ずべきこととしてきた。それが今になって、全土で白人至上主義がゾンビのように復活してきたのである。

 白人至上主義は、KKK(クー・クラックス・クラン)やネオナチなどの過激派グループによって引き継がれ、存続してきたものだが、それが大きなうねりになったのは、間違いなくトランプ前大統領による「大統領選挙が盗まれた」という嘘の主張に原因がある。国土安全保障省の警告でも、彼らの同期には「大統領交代に対する怒り」があるとしている。

 バイデン大統領は、就任直後から人種差別を排除する政策に力を入れているが、皮肉なことに、その反動として過激な白人至上主義者がテロに走る危険が増している。単なる反政府運動と、人種差別に根付いた国内テロは大きく違う。この警告が現実になれば、今度こそアメリカの分断は決定的になるだろう。

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《独特すぎるゴルフスイング写真》“愛すべきNo.1運動音痴”WEST.中間淳太のスイングに“ジャンボリお姉さん”林祐衣が思わず笑顔でスパルタ指導
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
「どうぞ!あなた嘘つきですね」法廷に響いた和久井被告(45)の“ブチギレ罵声”…「同じ目にあわせたい」メッタ刺しにされた25歳被害女性の“元夫”の言葉に示した「まさかの反応」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
遠野なぎこと愛猫の愁くん(インスタグラムより)
《寝室はリビングの奥に…》遠野なぎこが明かしていた「ソファでしか寝られない」「愛猫のためにカーテンを開ける生活」…関係者が明かした救急隊突入時の“愁くんの様子”
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)が犯行の理由としている”メッセージの内容”とはどんなものだったのか──
「『包丁持ってこい、ぶっ殺してやる!』と…」山下市郎容疑者が見せたガールズバー店員・伊藤凛さんへの”激しい憤り“と、“バー出禁事件”「キレて暴れて女の子に暴言」【浜松市2人刺殺】
NEWSポストセブン
目を合わせてラブラブな様子を見せる2人
《おへそが見える私服でデート》元ジャンボリお姉さん・林祐衣がWEST.中間淳太とのデートで見せた「腹筋バキバキスタイル」と、明かしていた「あたたかな家庭への憧れ」
NEWSポストセブン
先場所は東小結で6勝9敗と負け越した高安(時事通信フォト)
先場所6勝9敗の高安は「異例の小結残留」、優勝争いに絡んだ安青錦は「前頭筆頭どまり」…7月場所の“謎すぎる番付”を読み解く
週刊ポスト
アパートで”要注意人物”扱いだった山下市郎容疑者(41)。男が起こした”暴力沙汰”とは──
《オラオラB系服にビッシリ入れ墨 》「『オマエが避けろよ!』と首根っこを…」“トラブルメーカー”だった山下市郎容疑者が起こした“暴力トラブル”【浜松市ガールズバー店員刺殺事件】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《熱愛ツーショット》WEST.中間淳太(37)に“激バズダンスお姉さん”が向けた“恋するさわやか笑顔”「ほぼ同棲状態でもファンを気遣い時間差デート」
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン