国際情報

アメリカ政府が認めた「白人至上主義者が企む国内テロ計画」

バイデン政権はいきなり難題を抱えた(CNP/時事通信フォト)

バイデン政権はいきなり難題を抱えた(CNP/時事通信フォト)

 バイデン政権の看板のひとつは「ダイバーシティ」である。女性やマイノリティを要職に次々と起用し、「ひとつのアメリカ」「移民国家としてのアメリカ」を演出しようとしている。しかし、移民を忌避し、黒人虐待をなかば黙認してきたトランプ政権の4年間で、アメリカ社会は深刻な分断に陥ってしまった。急すぎる逆バネは社会不安を増大させる。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏が、いよいよ不穏になってきたアメリカの苦悩をリポートする。

 * * *
 トランプ前大統領がホワイトハウスを去ってわずか1週間で、懸念していた最悪の事態が現実のものとなった。アメリカ全土に様々なグループとして散らばる白人至上主義者たちが暴力行為に出るのではないかというのである。1月27日、国土安全保障省は、その危険が高まっていることを国民に警告した。

 いち早く報じたニューヨーク・タイムズによれば、同省は「連邦議会議事堂への破壊的な攻撃は、個別の事件ではないかもしれない」と警告し、「議事堂事件によって勢いづいた暴力的な国内過激派による脅威にアメリカが直面している」と初めて認めた。記事によれば、国土安全保障省は2019年にはすでに白人至上主義者を国内テロの脅威だと名指ししていたが、トランプ氏はBLM(黒人の命は大切)運動で起きた暴力や破壊活動の責任は急進的左派にあると主張し、当時のホワイトハウス高官たちは、「国内テロ」という表現をしないよう同省に圧力をかけていたという。

 バイデン氏の就任後、すでに一部では反政権を訴えるデモ隊が建物のガラスを割るなどの暴力行為に及んでいるが、議事堂暴動から続く混乱に乗じて、白人至上主義グループが、より広範で大規模なテロを起こす動きがあるというのである。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン