国内

日本をガッカリさせた菅首相 実直な東北人のイメージも崩れる

今年の総選挙後も菅義偉・首相の続投はあるのか(時事通信フォト)

安倍元首相に続き、国民をガッカリさせた菅首相(時事通信フォト)

 ブレにブレまくる政府の新型コロナウイルス対策に苛立ちを覚える国民も多いだろう。体験取材などでおなじみの女性セブンの“オバ記者”こと野原広子が、コロナ禍における政治家への違和感を綴る。

 * * *
 アルバイトとして議員会館に出入りして、足かけ3年。私ごときに政治が何かなんてわかるはずもないけど、ちょっとは見えてきたこともある。イメージにダマされてはならない、ということよ。

 いま、日本中でもっともガッカリされているのが菅義偉総理じゃないかしら。

 総理就任当時は「コロナ禍は、政界のサラブレッドの安倍総理では乗り切れない。秋田出身の苦労人に期待!」という追い風がたしかに吹いていた。

 イメージって恐ろしいよね。いつの間にか、「高卒で秋田から上京して、段ボール工場で働きながら法政大学の夜学に通った苦労人」というストーリーが出来上がっていったんだもの。

 3年前から彼に興味をもってブログを読んでいた私は、彼が貧農どころか裕福ないちご農家の長男で、夜学じゃなく昼間の大学を出ていることや、秋田にいたのも高校までで、その後の50年は神奈川県民として暮らし、県会議員から国会議員になっているということを知っていたのよ。

 なのに、菅総理がテレビに映り、たどたどしい口調で「秋田」と言われると、北関東生まれの私は、お互い上野駅から人生を始めたのね、なんて気がしてきたから不思議。

 でもしょせん、イメージはイメージ。露出が増えるにつれ、実像が見えてきちゃう。しかも、菅総理は自分が総理になることを想定していなかったんじゃないかな。自己プロデュースがあいまいなのよ。

 最初に「えっ?」と首をかしげたのは、インターネット番組で「皆さん、こんにちは。ガースーです」と自己紹介したとき。誰かに「ウケますよ」とフキこまれたのか、それとも総理になって浮かれてたのかわからないけど、実直な東北人のイメージがガラガラと崩れちゃった。

 さらに大きく潮目が変わったのは、2度目の緊急事態宣言を出すの出さないのでゴタつき、小池百合子東京都知事などに押し切られて渋々出したとき。元からよくなかった滑舌はますます悪くなるし、県名などを読み間違えたり、有名人との会食が見つかってモゴモゴと弁明するハメになったり。

 でもって、決定的に国民の気持ちを逸らしてしまったのは、今回、コロナ禍で相次いだ不謹慎議員やその秘書たちの醜態に、即断でケジメをつけられなかったことだと思う。

 自民党の国会対策委員長代理だった松本純氏が銀座でハシゴ酒をしたときもそうだし、同じく自民党の鶴保庸介元沖縄北方相や門博文議員の公設秘書が和歌山県でカラオケ会食をしてクラスターが発生したときもそう。国民の範たる政治家たちがそれを裏切る行為をしたとき、潔く認めて謝罪し、すぐに身を引けば、国民も納得すると思う。

 でも、一般社会ではとても通用しないような言い訳でその場をしのごうとしたり、だんまりを決め込んで逃げ切ろうと思ったり。醜態に醜態を重ねる連中をバシッと裁くことができない一国のリーダーって……どうなの?

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン