時短営業を守れない飲食店に罰則を科そう、などとエラそうに審議しておきながら、当の政治家やその秘書たちがそれと真逆のことをしているんだから、示しがつかないったらない。
テレワークにしたってそうよ。私たち国民には「密にならないよう、移動を控え、自宅でのテレワークを推奨する」などと言っておきながら、衆議院議員たちは、わずか5分間の本会議で「意義なし」と言うために、都道府県をまたいで全国から465人が交通費をかけて国会議事堂に集まっているのよ。つい先日、「令和2年度第3次補正予算」を通過させたときなんだけどね。
これこそ、公開リモートでよくない?
エラそうに国民に指示しておきながら、自らの行動がまったく伴わない連中の言葉は、とてもじゃないけど信じられないし、彼らにものごとを決めてほしくない。
先述の松本氏は、問題が発覚した当初、銀座のクラブへの出入りについて、「陳情を承るという立場でひとりで行った」などと説明していた。
でも、2月1日になって、自民党の大塚高司・党国会対策副委員長と、田野瀬太道・文部科学副大臣が同席していたことが明らかになった。で同日、3人とも離党届を出すに至ったんだけど……なぁんだ、結局のところ、ウソばっかりじゃない。菅総理が即断して早く辞めさせとけば、悪いイメージがさらに上塗りされることがなかったのに、って国民は思っていると思うよ。
……でも、振り返れば、そういう政治家たちを選んじゃったのは自分たち国民なんだよね。
政治家を上辺のイメージで見るのではなく、彼らが何をやろうとしているのか、何をやってくれるのかをきちんと目を見開いて判断しなくちゃいけないと改めて思うね。
秋までに衆議院が任期を迎える。そのせいか、議員会館の空気も日に日にピリついてきて、「選挙」という言葉が飛び交い始めている。
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2021年2月18・25日号