芸能

良質なドラマ続出の1971年 現在のテレビとYouTubeの関係と類似

1971年といえば、NHK紅白歌合戦のトリで森進一が『おふくろさん』を熱唱

1971、NHK紅白歌合戦のトリで森進一が『おふくろさん』を熱唱

 今から半世紀前の1971(昭和46)年は、1970年の大阪万博と1972年の沖縄返還という歴史の節目に挟まれた年。ちなみに、今年2021年と1971年は日付と曜日の配置がまったく同じなのだというが、それはさておき、1971年が一体どんな年だったのか──。

「端的に言えば、アメリカ文化がなだれ込み、急に身近になった年。そして、新時代の始まりの揺り戻しとして、過去や田舎へ回帰するノスタルジーブームが戦後初めて起こった。そんなとても興味深い年ですね」

 そう分析するのは、コラムニストの泉麻人さん。

「ニクソンショックで1ドル360円時代が終わり、変動相場制へ移行。パンタロンやホットパンツ、ジーンズ姿の若者が闊歩し、アメリカンクラッカーが流行。マクドナルドが初上陸し、ファストフードの食文化が入ってきたのもこの年です。その一方で、学生運動末期の物騒な騒乱が増えた時期でもある。水俣病、イタイイタイ病などの公害がクローズアップされ、光化学スモッグが問題視されました」(泉さん)

 昭和のレトロ文化を研究している黒沢哲哉さんは、1971年について、こう振り返る。

「高度経済成長は1970年にピークを迎え、1973年のオイルショックをきっかけに景気が悪化。その間に挟まれた1971年は高度経済成長の終盤といえます。この年の“空気”は、当時のCM流行語によく表れます。

『がんばらなくっちゃ』(中外製薬・新グロモント)が新時代を迎える自分たちを鼓舞しているのに対し、『のんびり行こうぜ 俺たちは』(モービル石油)には過去や田舎への回帰願望がうかがえます。この年には、時代の変わり目に特有の“両極”な空気が混在していました」

 新たな文化がなだれ込み、戦後サブカルチャーが芽吹いていたことから「ニッポンの青春時代」とも称されるが、テレビの世界では具体的にどんなことが起きていたのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン