フードデリバリー中のバイク、自転車、電動キックスケーターが併走するスウェーデン・ストックホルム(EPA=時事)

フードデリバリー中のバイク、自転車、電動キックスケーターが併走するスウェーデン・ストックホルム(EPA=時事)

 この方の意見はもっともで、筆者がこれまで特に懸念してきたことは万が一の事故、そして保険のことである。自転車登録で電動キックスケーターを含む原付などの車両を用いるといった、登録外の車両で配達する行為はウーバージャパンの重大な規約違反だ。バレれば即アカウント停止だが、それより怖いのは、ウーバージャパンの用意する保険が適用されないことにある。自賠責は被害者救済のために適用されるが、任意保険は保険会社次第、約款に違反しているわけで自腹になりかねない。莫大な賠償金を私財で払えるのか。自身はもちろん、他人に障害を負わせたり死亡させたりでもしたら一生が終わる。保安部品なし、ナンバー未取得状態の電動キックスケーターで商業配達など常軌を逸している。その場合、自賠責すらないのだ。本当に一生が終わるというのに、何を考えているのか。

 この電動キックスケーターについてウーバージャパンにメールで問い合わせると、以下の回答が寄せられた。

「配達パートナー登録にあたっては、自転車あるいは 125cc 以下の原動機付自転車、または貨物軽自動車運送事業登録車両が登録可能です。このため道路運送車両法上、原動機付自転車と分類される電動スケーターであれば、原動機付自転車と同様の必要書類をアップロードの上、登録いただくことはできます。(ナンバー未取得の配達員がいるという)そのような事例は把握しておりません。ナンバー未取得の電動スケーターでの公道走行は違法行為にあたりますので、もしお見かけになられたら、お客様相談室までご連絡いただけましたら幸いです」【※カッコ内は筆者補足】

 とのことで、あくまで原付としてナンバーを取得できていれば何であれ、配達はできる。お客様相談室というより警察だろうが、白ナンを注意した善意の第三者が暴力などのトラブルに巻き込まれたという情報もある。直接は何をされるかわからず危険なので、お客様相談室および警察に粛々と通報するほうが安全だろう。

最近、車に煽られたり、嫌な顔されることが増えた

 森下周辺は風が強くなり、雨が降ってきた。しばらくすると雪になるという。あんな電動キックスケーターで雪の中、滑りやすい路面で事故でも起こさなければいいが ―― 正直、違法車両なので本人のことなどどうでもいい。罪もない誰かを巻き込まないでくれ、それだけ考えてしまう。

「知らないんじゃないですか、何も知らないでやってるんですよ」

 秋葉原、スマホとにらめっこのウーバー配達員に電動キックスケーターの話を向けるとうんざりした様子で答えてくれた。

「法律とか知らないで、なんか簡単にやって金になればいい、それだけなんですよ。外人なんかめちゃくちゃだし、迷惑ですよ」

 コロナ禍、もう1年以上、配達員をやっているという彼の話によると車に煽られたり、露骨に嫌な顔をされることが最近増えたという。周囲の迷惑になる地蔵行為、ガチの犯罪行為である白ナン、そして未登録の電動キックスケーターなど、ごく一部の連中のせいでイメージが悪くなり、まともな配達員が割を食っている。

「あんなの(電動キックスケーター)で配達なんてよくできますよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン