ヘルメットの着用を任意とするなど、警察庁が新たな特例措置をまとめた電動キックスケーター[警視庁提供](時事通信フォト)

ヘルメットの着用を任意とするなど、警察庁が新たな特例措置をまとめた電動キックスケーター[警視庁提供](時事通信フォト)

 ウーバージャパンは2020年11月から苦情や通報を受けつける「お客様相談室」を開設した。利用者でなくとも通報可能で広く一般に呼びかけている。しかし店や客ならアプリを通して、商品のやりとりでウーバーイーツ配達員であると現認できるだろうが、街中で見かけただけの一般人にはその問題行動の主がウーバーイーツ配達員かはわからない。そもそもウバッグに「Uber Eats」のロゴは不要だしバッグならなんでもいい。他社のバッグだっていいのだ。実際、ウーバーイーツの他に複数の同業他社と掛け持ちしている配達員はいて、バッグのロゴもまちまちだ。

 また、配達中かどうかもわからない。これは筆者が白ナンバー営業(俗に「白ナン」。普通自動車や軽自動車、125cc超の普通二輪を使った無許可営業を指す運送業界の隠語)であろうホンダPS250を目撃したときもそうだったが、配達していなければ自家用の普通自動二輪でウバッグを使ったって問題ない。ただウバッグが便利で使っているとか、ウーバーの配達員が私用で走っているだけかもしれない。つまり、バレなければ何でもありだ。

 今回目撃した電動キックスケーターだって彼が配達中かなんてウバッグだけではわからない(道路交通法第62条違反は確実だが)。ウバッグは誰でも簡単にAmazonなどで買えるわけで、彼が配達員かもわからない。日本では宅急便や郵便、バイク便などの運送業は会社名だけでなく、車両に配達員の名前を掲示している。そして正規、非正規はあれど会社が雇用している。赤帽などの古くからの個人事業主でも厳格に法で定められた個人運送業としてのルールを守っている。それは当然の話で、公道で社名もドライバーもわからなければ何でもあり、バレなければやりたい放題になってしまうからだ。仕事で運転するということは命を預かる、命を脅かす可能性があるほどに責任ある仕事のはずだ。この当たり前の感覚が外資系フードデリバリーには欠けている。ここは日本だ。そして仕事で配達するというプロ意識に欠けているごく一部の配達員がそれを助長している。

「本人は便利な自転車感覚でしょうから信号も自転車感覚でもちろん無視、極めつけは歩道走行 それこそ、事故に巻き込まれたら当てられ損」(報告者A、原文ママ)

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