スーパー南海地震が発生した際、政府はどう対応するのか(時事通信フォト)
東海から近畿、四国から沖縄まで、広範囲の沿岸部を津波が襲っている。大型ビジョンを眺める新宿の人々は、声を失っている。だが、立ち止まっているわけにはいかなかった。
「東京湾にも津波が到達する恐れがある」という警報が出され、安全な場所へと急ごうとする。その矢先、またスマホから警報が鳴り響く。「ドン!」と突き上げるような衝撃が走った。余震かと思われたが、そうではない。南海トラフ地震と連動して、相模トラフ地震が発生したのだ。
立っていられないほどの激しい揺れが続く。新宿の高層ビルは、まるで風になびく木のようだ。ビルを見上げた歩行者が驚きの声を上げている。高層階のガラス窓を突き破って、重いコピー機や冷蔵庫が放り出され、宙を舞っているのだ。
「東日本大震災のときよりも、揺れの大きな長周期地震動が高層ビルを襲います。その揺れ幅は5mにも及び、重い家具や機械が室内を滑り回ります。それらは、簡単に人間を押しつぶしてしまうでしょうし、ビルの外壁を破って飛び出し、人間ともども落ちて、地上の人々に被害が及ぶことも考えられます」(武蔵野学院大学特任教授の島村英紀さん)
コロナ対策ばかりでなく、巨大地震への備えも忘れてはならない。
※女性セブン2021年3月4日号