スポーツ

現役ダート3強が不在のフェブラリーS ワイドファラオを狙う理由

2020年のフェブラリーステークスを勝ったモズアスコット

2020年のフェブラリーステークスを勝ったモズアスコット

 無観客であることに寂しさはあるものの、2021年のGI戦線がいよいよ幕をあける。競馬ライターの東田和美氏が考察した。

 * * *
 思えば競馬場で普通にレース観戦をしたのは、昨年のフェブラリーステークスの日が最後だった。冬場のダートGⅠなので春秋のシーズンほどではないが、それでも東京競馬場には5万人以上(50985人)が集まった。レースは2018年の安田記念馬モズアスコットが、ダート2戦目にして戴冠。2着には最低人気のケイティブレイブが入り、馬連は3万6230円もついた。そのモズアスコット、さらに長年ダート界をけん引してきた2017年の最優秀ダート馬ゴールドドリームも昨年いっぱいで引退して種牡馬になった。

 残された現役のダート3強が10戦8勝でGⅠ4勝馬クリソベリル、東京大賞典3連覇中で帝王賞勝ちもあるオメガパフューム、そして昨年のチャンピオンズカップでクリソベリルを破ったGⅠ3勝馬のチュウワウィザードであることに異論はないだろう。昨年の年間レーティングがトップだった帝王賞の1~3着である。クリソベリルは2019年、チュウワウィザードは2020年の最優秀ダート馬に選出されている。

 この3頭は今回出走していない。クリソベリルは故障、オメガパフュームは距離不適で回避。チュウワウィザードは1着賞金10億円というサウジカップに遠征した。

 今回中央のGⅠ勝ちがあるのは2019年のフェブラリーSを勝ったインティだけ。ダートGⅠで連対した馬は他にいない。GⅡ勝ち3頭はここ3年の東海ステークスでのもの。今年このレースを経て出走してくるのは勝ち馬オーヴェルニュとインティだけだ。

 ならば昨年の帝王賞で4着だったワイドファラオを狙いたい。

 ここ2戦は南部杯7着、みやこSは9着。角居師は「収まりがよすぎて弾けなかった」としているが、しっかり休養を取りここに照準を合わせてきた。

 JRAホームページの「第38回フェブラリーステークス(GⅠ)プレレーティング」でワイドファラオは「115」でトップ。該当レースは昨年5月のかしわ記念。2月のフェブラリーSを勝って芝ダートGⅠを勝ったモズアスコット、2018年の最優秀ダート馬ルヴァンスレーヴ、今回も人気になっているサンライズノヴァやアルクトスを相手に、悠々と逃げ切っている。地方交流レースは往々にして「2つの競馬」が行われがちだが、このレースは7頭という小頭数で地方馬は1頭だけ。福永騎手が絶妙のペースを創り上げたとはいえ、狭い競馬場でマグレがあったということではないはずだ。この時ワイドファラオを追い詰めたケイティブレイブは前述の帝王賞でも6着だったが、やはり今回は出走していない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
《TOKIO解散には迷いなし?》松岡昌宏、「男気会見」で隠せなかった本音 唯一違った“足の動き”を見せた質問とは?
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン