角居勝彦調教師

角居勝彦調教師にとっては最後のGI挑戦となる

 東京のダート1600mはスピードが不可欠。ワイドファラオは3歳時に芝GⅡのニュージーランドトロフィーを勝ち、GⅠNHKマイルカップでもコンマ4秒差に粘っている。同厩のカネヒキリがスピードを研くため、フェブラリーステークスの前に芝で追い切ったのは有名な話。海外より日本での活躍が目立つヘニーヒューズ産駒といえば、2016年にモーニンが勝っているし、芝でのGⅠ勝ちもあるアジアエクスプレスがいる。

 相手にはやはり芝での実績があるエアスピネル、東京コースが会うサンライズノヴァ、唯一の中央GⅠ馬インティも今度は好走する順番か。そして5歳ながら強豪とのレースで揉まれてきている地方馬ミューチャリー。過去20年の2着馬のうち12頭は暮れの大井・東京大賞典か川崎記念からの地方交流組だ。

 開業以来20年、定年まで10年以上を残して競馬界を去る角居勝彦調教師にとって最後のGⅠ。2001年の開業年に早くもGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズに福永祐一騎手騎乗のシェーンクライトで初参戦して以来、GⅠレースにのべ200頭以上を送り出して現役2位の26勝。「引退記念のG1出走」などと思うこともなく、いつも通り入念に仕上げてくるはずだ。

●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

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