芸能

林修の冠番組が相次ぎテコ入れ 内容が大きく変わったのはなぜか?

(撮影/平野哲郎)

冠番組が相次いでテコ入れ

 人気予備校講師から一躍、多くの冠番組を持つタレントとして活躍の場を広げた林修(55才)。最近、彼が担当する番組の内容に変化が見られるという。いったい何が起きているのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 「今でしょ!」が『ユーキャン新語・流行語大賞』を受賞したのは、約8年前の2013年。同年、林修さんは大手事務所のワタナベエンターテインメントに所属したことで活躍の場を一気に増やしました。

 現在は『林修の今でしょ!講座』(テレビ朝日系)、『林修のニッポンドリル』(フジテレビ系)、『林先生の初耳学』(MBS・TBS系)と民放3局系列で冠番組を持っていますが、意外なことに、このところ3つすべてで内容の大幅な変化が見られるのです。

『林修の今でしょ!講座』は、23日が「声優はスゴいんだ!!今、声優でしょ3時間SP」、16日が「東大生ランキング(東大生が選ぶスゴイ芸人と漫画を発表)」を放送。その前までは、「油」「コンビニの健康志向食品」「納豆」などの生活情報をフィーチャーしていただけに大きな変化を感じさせます。

『林修のニッポンドリル』は、24日が「ギャル曽根番付・新橋・銀座お好み焼き戦争」、17日が「広瀬香美が嫉妬したアーティスト番付TOP10と、ギャル曽根番付・池袋ハンバーグ戦争」、3日が「日清食品インスタント麺売上番付」を放送。昨秋までは、「ニッポン全国ミステリー調査」「日本語のナゾ」「ニッポン摩訶不思議ドリル」などの“日本”、あるいは「最強の縁結び!?出雲大社のナゾSP」「日本三景 宮島ミステリー」などのアカデミックな切り口が多かったため、こちらも大きな変化が見られます。

『林先生の初耳学』は、21日が「最新Amazonを学ぶ」、14日が「スマホ5Gの世界」、7日が「大人がハマるアイドル日向坂46」、1月31日が「ダルビッシュ有インタビュー」、1月24日が「フリーWi-Fi」、1月17日が「ROLANDインタビュー」を放送。昨年までは、「フワちゃん数珠繋ぎで『アリアナ・グランデ』にたどり着ける!?」「鬼越トマホークが手漕ぎ船で津軽海峡を横断」「徹底検証マッチングアプリで恋人は作れる?」「終電を逃した場合どこまでなら歩いたほうが早い?」などのロケドキュメント企画が多かっただけに大きく変わりました。

 なぜ今、冠番組の内容が大きく変わり、林修さんに何が求められているのでしょうか。

「中高年層に強い」という業界評価

 バラエティ番組の内容が変わる理由は、そのほとんどが視聴率の低迷。逆に言えば、視聴率が獲れていれば、よほどのネタ切れでない限り、リニューアルしづらいものです。前述した林さんの冠番組も、以前は中高年層の視聴者を手堅く集めて安定した視聴率を獲得していましたが、このところ以前ほどの結果を残せなくなっていました。ただ、これが冠番組の内容が大きく変わった決定的な理由とは言えないでしょう。

 昨春、視聴率調査が変わり、性別年代などの詳細がわかる個人視聴率が全国に導入されたことで業界内のムードは一変。これまで日本テレビを除く民放各局は、世帯視聴率を獲るために「まず中高年層を押さえて、その上で別の層にもアプローチできる」というコンセプトで番組制作をしていましたが、スポンサー受けがよく広告収入につながりやすい13~49歳に向けた番組に切り換えたのです。

 そのことは中高年層の視聴者が多かった『爆報!THEフライデー』『この差って何ですか?』(TBS系)が今春で終了し、代わってファミリー層向けの『オトラクション』『オオカミ少年』がスタートすることからもわかるのではないでしょうか。

 一方、業界内で林さんは、「中高年層に強いため、手堅く世帯視聴率を獲れるMC」と評価されていました。実際、その業界評価を暗に裏づけているのは、日本テレビに林さんのレギュラー番組がないこと。日本テレビは2010年代から民放他局に先がけて、世帯視聴率が獲れる高齢層ではなく、広告収入を得やすい13~49歳に向けた番組制作を進めていたのです。

 そんな業界評価があるからこそ林さんの冠番組は、中高年層向けの企画を中心に放送し続けてきました。その他の出演番組に目を向けても、所ジョージさんとコンビを組む『ポツンと一軒家』(朝日放送・テレビ朝日系)も極端に高齢視聴者の多い番組です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン