国際情報

日本共産党・志位和夫委員長が習近平・中国共産党を痛烈批判

中国は力ずくで物事を進めることを厭わない国だ(EPA=時事)

中国は力ずくで物事を進めることを厭わない国だ(EPA=時事)

 中国政府の覇権主義的行動が、どんどんエスカレートしている。2月1日、海上警備にあたる海警局に武器の使用を認める「海警法」を施行。海警局の船舶が、沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺の領海への侵入を繰り返している。こうした動きへの菅政権の対応が“弱腰”であると厳しく批判しているのが、日本共産党の志位和夫・委員長だ。

 志位氏は2月26日発売の『週刊ポスト』でインタビューに応じ、中国共産党の対外姿勢に強い警戒感を表明するとともに、日本政府が誤った対応を取っていることが問題をより深刻にしていると追及した。

 もともとは、ともに1920年代にコミンテルン(共産主義インターナショナル)の指導のもとで生まれた中国共産党と日本共産党だが、両者の関係は複雑だ。1960年代後半以降、中国で文化大革命が進められると、日本共産党は「宮本(顕治・書記局長=当時)修正主義集団」と批判の対象となり、両党の関係は長く断絶していた。1998年からは不破哲三・委員長(当時)のもと交流が再開したものの、それ以降も「批判すべきことは批判してきた」と志位氏は語る。

「私たち日本共産党は、節目節目で中国政府に対して直接ものを言ってきました。私自身が発言したものだけでも、チベットの人権問題、(民主化運動でノーベル平和賞を受賞した)劉暁波氏の投獄問題、南シナ海や東シナ海での覇権主義的行動、香港やウイグルでの人権抑圧など、問題が起きるたびに、是正を求めてきました。しかし、彼らは批判を受け入れる様子がない」(志位氏)

このままでは尖閣諸島は風前の灯火(Avalon/時事通信フォト)

このままでは尖閣諸島は風前の灯火(Avalon/時事通信フォト)

 緊張状態が続く尖閣諸島についても、「そもそも日中国交正常化の時の交渉に問題があった」と指摘する。

「尖閣諸島の問題は、1972年に当時の田中角栄・首相と周恩来・首相が日中共同声明を出すにあたって議論をしています。その際に周氏が『いまこれを話すのはよくない』として“棚上げ”を主張し、日本側は事実上同意してしまった。日本政府は尖閣諸島の領有権について、この時にはっきりと主張するべきだったのです。日本の外務省は簡単な記録しか表に出していませんが、中国側は詳しい議事録を出しています。そこでは、日本側が何も言っていないということが明確になっています。

 中国側が初めて公式に領有権を主張したのは1971年のことです。その翌年に国交正常化となったわけですが、交渉の際にはっきりとものを言わないだらしない態度をとったことが、現在に至るまで尾を引いています。正面切って、尖閣諸島は日本の領土であるという国際法的、歴史的な根拠をぶつければ、争う余地がない問題のはずです。にもかかわらず、日本政府はずっとそれをやってこなかった」(志位氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平の妻・真美子さん(写真/AFLO)
《髪をかきあげる真美子さんがチラ見え》“ドジャース夫人会”も気遣う「大谷翔平ファミリーの写真映り込み」、球団は「撮らないで」とピリピリモード
NEWSポストセブン
第79回国民スポーツ大会の閉会式に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月8日、撮影/JMPA)
《プリンセスコーデに絶賛の声も》佳子さま、「ハーフアップの髪型×ロイヤルブルー」のワンピでガーリーに アイテムを変えて魅せた着回し術
NEWSポストセブン
宮家は5つになる(左から彬子さま、信子さま=時事通信フォト)
三笠宮家「彬子さまが当主」で発生する巨額税金問題 「皇族費が3050万円に増額」「住居費に13億円計上」…“独立しなければ発生しなかった費用”をどう考えるか
週刊ポスト
畠山愛理と鈴木誠也(本人のinstagram/時事通信)
《愛妻・畠山愛理がピッタリと隣に》鈴木誠也がファミリーで訪れた“シカゴの牛角” 居合わせた客が驚いた「庶民派ディナー」の様子
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
「何か大変なことが起きているのでは…」米倉涼子、違約金の可能性を承知で自らアンバサダー就任のキャンセルを申し出か…関係者に広がる不安がる声
NEWSポストセブン
ドイツのニュルンベルクで開催されたナチ党大会でのヒトラー。1939年9月1日、ナチ・ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発した(C)NHK
NHK『映像の世紀』が解き明かした第二次世界大戦の真実 高精細カラー化されたプロパガンダ映像に映る国民の本音、老いて弱りゆく独裁者の姿
週刊ポスト
大阪・関西万博を視察された天皇皇后両陛下(2025年10月6日、撮影/JMPA)
《2回目の万博で魅せた》皇后雅子さまの気品を感じさせるロイヤルブルーコーデ ホワイトと組み合わせて重厚感を軽減
群馬県前橋市の小川晶市長(共同通信社)
「ドデカいタケノコを満面の笑顔で抱えて」「両手に立派な赤ダイコン」前橋・小川晶市長の農産物への“並々ならぬ愛”《父親が農民運動のリーダー》
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(共同通信)
《やる気スイッチ講師がわいせつ再逮捕》元同僚が証言、石田親一容疑者が10年前から見せていた“事件の兆候”「お気に入りの女子生徒と連絡先を交換」「担当は女子ばかり」
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月7日、撮影/JMPA)
《再販後完売》佳子さま、ブラジルで着用された5万9400円ワンピをお召しに エレガントな絵柄に優しいカラーで”交流”にぴったりな一着
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷が“即帰宅”した理由とは
《ベイビーを連れて観戦》「同僚も驚く即帰宅」真美子さんが奥様会の“お祝い写真”に映らなかった理由…大谷翔平が見計らう“愛娘お披露目のタイミング”
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《山瀬まみが7ヶ月間のリハビリ生活》休養前に目撃した“スタッフに荷物を手伝われるホッソリ姿”…がん手術後に脳梗塞発症でICUに
NEWSポストセブン