国内

テレビ災害報道の変化 L字放送の定番化、危機感伝わる呼びかけに

災害時の報道には各局様々な工夫を凝らしている(写真は日テレ)

災害時の報道には各局様々な工夫を凝らしている(写真は地震発生時。日本テレビ)

 東日本大震災から10年が経過し、地震検知システムも進化。揺れの検知から津波の有無まで、かつてない速さと精度で伝えられるようになった。同時にテレビにおける伝え方も変わってきている。

 2016年11月の福島県沖大地震(M7.4)では津波警報が発令されたが、各局アナウンサーが「津波警報が出ました! 今すぐ逃げてください! 命を守るために」と大声で呼びかけたことが話題になった。画面には大きなテロップで、「津波! 避難!」「すぐにげて!」などと表示され、子供にもわかるよう、ひらがなの表示も出た。

 今年2月13日深夜に起きた福島県沖地震では、各局が緊急特別番組を立ち上げ、CMのないノンストップの放送になった。キー局の報道番組ディレクターが語る。

「地震が発生した場合、どの局もだいたい同じ基準で、震度6強、もしくは都心で震度5強が出たような場合は、編成の判断で報道局主導の報道特別番組に切り替えます。今回の地震は土曜の夜というスタッフが最も手薄なタイミングではありましたが、大地震が発生した場合は報道局のスタッフは緊急出社して対応します」

 2月13日は、報道・情報番組『新・情報7daysニュースキャスター』を生放送していたTBSも、地震が発生するとヘルメットをかぶった安住紳一郎アナが「大きな揺れがきています。報道カメラから伝えてもらいます」と告げ、緊急報道特番に切り替わった。

「局アナは災害時の放送については日々訓練してシミュレーションしています。そうしたことから、災害時はフリーではなく局アナが伝えるという暗黙のルールがあります。

 原稿もほぼマニュアル化されていて、震度、震源地、津波の有無など気象庁のデータから原発の状態など、伝えるべきことを局アナが伝える。災害など有事に備えて、局には収録予定がなくても、常にアナウンサーが待機しているようにシフトが組まれています。

 もちろん、災害時に待機していた局アナによって向き不向きの実力差は出てしまいますが……」(前出・ディレクター)

関連キーワード

関連記事

トピックス

万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン