この「東北・北海道の太平洋岸警戒ゾーン」では、岩手県にある電子基準点「岩手松尾」で9.04cm、秋田県にある「皆瀬」で8.51cm、福島県にある「二本松」で8.26cmの異常変動が観測されている。
「水平方向の動きでも、福島県沖地震以降、岩手県にある基準点から宮城県の基準点まで海域の1点に向かうような動きが見られる。東日本大震災の数日前にも酷似した動きが見られ、その海域が震源となったため警戒を強めています。
『隆起・沈降』でも宮城県と福島県の境目で高低差が広がっており、歪みが大きくなっている可能性があります」
気象庁は会見で、福島県沖地震を東日本大震災の「余震」としたが、村井氏は「号外速報」で警鐘を鳴らした異常変動をこう分析する。
「東日本大震災以降、全国で地表の大変動が起きており、日本列島全体が不安定な状態で、特に東北地方の地表の動きは顕著です。10年前の余震ではなく、新たな地震の兆候だと考えるべきだと思います。3月下旬頃までは最大限に注意していただきたい」
※週刊ポスト2021年3月19・26日号