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震災直後に壁新聞作った石巻日日新聞 携わった社員は約半数が定年

石巻日日新聞の壁新聞と当時の報道局長(写真/共同通信社)

石巻日日新聞の壁新聞と当時の報道局長(写真/共同通信社)

 東日本大震災から10年が経った。あのとき注目を集めた人々のその後の姿を追った──。地元紙ならではの活動が注目されたのは、石巻日日新聞だった。被災によって会社機能がストップするなか、震災翌日から6日間、手書きした壁新聞を発行し被災者に情報を届け続けた。

 当時の記者で、現在は同社常務取締役の平井美智子氏が語る。

「社長の近江(弘一)自ら指揮を執り、報道部7人と他部署も手伝い紙面制作にあたりました。近江は『新聞社として、こういう時にこそ情報を伝えないといけない』と号令をかけ、残っている紙を使って壁新聞を作りました。枚数も限られ、貼り出せる先も歩いて行ける範囲の5、6か所。それでも避難所の皆さんが心待ちにして、大勢集まって真剣に読んでくれた」

 壁新聞作りに携わった社員も約半数が定年を迎えて退職したという。壁新聞は今も、同社が石巻市内で運営する震災伝承施設「石巻ニューゼ」に常設展示されている。

 同年10月に始まったのが朝日新聞の原発関連の連載「プロメテウスの罠」だ。開始時には数か月で終わる予定だったものの〈4年半。のべ99人の記者が計81のシリーズを手がけました〉(2016年3月28日付)。連載の一部は単行本化もされたが、“反原発ありき”の姿勢が「煽り」と批判された記事も少なくなかった。

「『プロメテウスの罠』は当時の社長の肝入りでできた『特別報道部』で各部から集めた記者たちが担当しました。連載終了後もいくつか大型連載を手掛けましたが、その特報部は今年4月になくなります」(朝日関係者)

※週刊ポスト2021年3月19・26日号

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