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《想定外の横暴カスハラ》「給油機が止まってから、あと2リットルほど入るんや」還暦タイミーさんがガソリンスタンドで遭遇した“お客さまの常識外の言動”

ガソリンスタンドの給油機

 単発・短時間で働ける「スキマバイト」や「スポットワーク」と呼ばれる働き方が浸透しつつある。副業としてスキマ時間を有効活用したい人も多いが、生活のために「本業」としてタイミーワーカーという道を選んだ人もいる。

「かつての本業は経営コンサルタントでした。今はタイミーだけで働いています」

 そう語るのは、石川県在住で2023年に還暦を迎えた現役“還暦タイミーさん”の須来間唄人(すきま・ばいと)氏だ。不特定多数の客と接する仕事をしていたときに遭遇した、とんでもない客とは──。

 須来間氏の著書『還暦タイミーさん奮戦記──60代、スキマバイトで生きてみる』(花伝社)から、カスタマーハラスメントの実態をお届けする。(同書より一部抜粋して再構成)【全2回の第1回】

 * * *
 ガソリンスタンドのО商事が給油スタッフを募集していた。О商事はセルフスタンドを数店舗経営しているが、この度、某店をリニューアル工事する。その間、給油スタッフを雇うそうだ。

「ここセルフでしょ。なんでこんなに人いるの?」

 О商事に初出勤の日、いきなり利用客に尋ねられた。

「隣で工事してまして、火とかガスを使うもんですから、消防法の決まりで、給油スタッフを置かないといけないんです」

 あらかじめ教わった通りに客に答える。

 ぼくは車に乗らない。だからガソリンの入れ方なんて知らない。そんなぼくでも給油スタッフの仕事はすぐにできた。

 二つポイントがある。一つ目は、ハイオク、レギュラー、軽油の3種類について絶対に入れ間違わないこと。ただ、油種指定や給油量は客が機械で入力してくれるので、ぼくはその指示を見るだけである。それに、ハイオクは黄色、レギュラーは赤色、軽油は緑色がついている。

 給油ホースを取り間違うこともない。

 二つ目は、給油を的確に行うことである。車の給油口を開けて給油ノズルを差し込む。あとはレバーを引くだけ。これも簡単である。レバーを引いていても指定量まで給油されれば、機械が勝手に給油を止めてくれる。何も難しいことはない。

 ぼくはО商事に20回以上勤務したと思う。9時から15時までの昼勤務と、15時から21時までの夜勤務とがあった。ぼくは昼と夜半々で給油スタッフとして働いた。

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