スポーツ

阪神・佐藤輝明に藤田平が注文「見逃し方もプロになれ」

各球団も最大限の警戒(時事)

各球団も最大限の警戒(時事)

 阪神のスーパールーキー・佐藤輝明がオープン戦の話題を独り占めしている。3試合を残した3月17日現在で、打率.361は12球団で3位(規定打席以上。以下同)、打点9は2位、本塁打6は堂々のトップで、これは新人のオープン戦歴代1位の記録。どうしても豪快なホームランに注目が集まるが、実はそれ以外の数字も目を見張るもので、オープン戦三冠王も見えている。

 安打数13も2位の数字だし、32塁打はぶっちぎりのトップ、長打率.889も驚異的な数字でトップという成績なのである。

 もちろんオープン戦と実戦は違う。特に新人の場合、オープン戦では対戦相手もデータを集めることを重視するから、わざと打ちやすい球種やコースも投げる。どのコースのどんな球が得意で苦手か、シーズンに入る前にできるだけ丸裸にしておきたいのは当然だ。佐藤が得意とするアウトコースのストレートをレフトに飛ばすシーンが多いのも、各球団が「本当にそこに投げてはいけないか」を見極めるために試している可能性がある。

 とはいえ、オープン戦も終盤に入ってからは、特にセ・リーグ球団は本気で抑えにかかっていた。巨人は左の高橋優貴をぶつけてきたが、レフトスタンドに運ばれた。ヤクルトは苦手だと見られていた内角攻めを試したものの、ホームランを食らった。今のところ、ライバルたちを喜ばせるような弱点は見せていない。

『週刊ポスト』(3月19日発売号)では、「やっぱり野球は面白い」と題して球春ワイド特集を掲載しているが、そこで佐藤の実力を高く評価した元阪神監督の藤田平氏に、改めて「佐藤は本当にシーズンでも通用するか」を聞いた。

「いいバッターやね。物怖じせずバットを振り切ることができる。オープン戦終盤から開幕直後にかけて、これから各球団の主力投手との対戦が増えるから、そこでいかにエース級に対応できるかが本当に通用するかのポイントになる。

 正直な話、オープン戦ではあえて打たせるというか、コースと球種の得意と苦手を探りにくる。シーズンに入っても、しばらくはそんな戦いが続くでしょう。相手も揺さぶりをかけてくるから、これからはボールの見逃し方にも駆け引きが必要です。それがプロの世界というものです。

 オープン戦終盤では、内角高めを見せられて外角の落ちるボールを振らされていた。今後の課題としては、もっとストライクゾーンの対角線を意識しないといけない。2019年には、木浪聖也がオープン戦で新人安打記録を更新しながら(22安打)、シーズンに入ると大不振に陥った例もあります(初打席から17打席無安打。最終的には打率.262、打点32、本塁打4)。そんなケースも考えられるが、どんなに研究されても失投はあるのだから、それを逃さずに打てばいい。今のセ・リーグで、球種やコースをきちんと狙った通りに投げられるのは巨人の菅野智之くらい。やはり一発がある選手は魅力です」

関連キーワード

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
連敗中でも大谷翔平は4試合連続本塁打を放つなど打撃好調だが…(時事通信フォト)
大谷翔平が4試合連続HRもロバーツ監督が辛辣コメントの理由 ドジャース「地区2位転落」で補強敢行のパドレスと厳しい争いのなか「ここで手綱を締めたい狙い」との指摘
NEWSポストセブン
伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《しゃがめってマジで!》“撮り鉄”たちが天皇皇后両陛下のお召し列車に殺到…駅構内は厳戒態勢に JR東日本「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《早穂夫人は広島への想いを投稿》前田健太投手、マイナー移籍にともない妻が現地視察「なかなか来ない場所なので」…夫婦がSNSで匂わせた「古巣への想い」
NEWSポストセブン
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
芸能生活20周年を迎えたタレントの鈴木あきえさん
《チア時代に甲子園アルプス席で母校を応援》鈴木あきえ、芸能生活21年で“1度だけ引退を考えた過去”「グラビア撮影のたびに水着の面積がちっちゃくなって…」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
【追悼】釜本邦茂さんが語っていた“母への感謝” 「陸上の五輪候補選手だった母がサッカーを続けさせてくれた」
週刊ポスト
有田哲平がMCを務める『世界で一番怖い答え』(番組公式HPより)
《昭和には“夏の風物詩”》令和の今、テレビで“怖い話”が再燃する背景 ネットの怪談ブームが追い風か 
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト