デジタル制作にも手描きの味わいを残したいという

デジタル制作にも手描きの味わいを残したいという

デジタル時代の「新しい漫画」を見つけたい

 趣味の多様化が進む中、漫画を含めた出版界の現状は決して明るくない。しかし1983年のデビュー以降、40年近く第一線で執筆を続けてきた業田氏は、デジタル化とともに「新しい漫画の未来」が開けるはずと語る。

「これまでは原稿を仕上げてから雑誌が発売されるまで1〜2週間のタイムラグがあったけど、デジタルを用いれば書いたその日に掲載することができます。特に政治漫画のように時事ネタを扱うジャンルでは、この即時性は大きな魅力です。今回の4コマも、平日は毎日公開される新作を読者がリアルタイムで読むことができます。

 また、デジタルなら漫画家が自分の作品を自分で発表することもでき、作り手のすそ野が広がります。デジタルならではの表現方法も併せて、デジタル作画になることで、これまでになかった新しい書き方やアイデアが生まれて、漫画がさらに成長するはずです」

 新型コロナで様々な娯楽と接する機会が減る中、昔ながらのエンターテイメントである漫画に期待する声は少なくない。業田氏も、ひとりの漫画家としてもっともっと面白い作品を作りたいと意気込む。

「昔は漫画への情熱を持っている読者がたくさんいましたが、いまはYouTubeやツイッターといった面白いことが増えて、わざわざ漫画を読む人が減っています。それでも『鬼滅の刃』が大ヒットしたように、面白い作品を書けば読んでくれる読者がいることは、僕らにとって明るい兆しです。

 デジタルで漫画は間違いなく変わります。どう変わるかはまだわからないけど、それを見つける漫画家になりたい。これからも新しくて面白い漫画を書いていきたいですね」

 還暦を越えて、ますます意欲がみなぎる業田氏。現実の世界のニートや引きこもりを思わせるナマオは、20年間を経てどのように“変身”するのか——間もなく結末を迎える物語の公開が待ち遠しい。

【プロフィール】業田良家(ごうだ・よしいえ)/1958年福岡県生まれ。1983年、「ゴーダ君」でデビュー。主な作品に『自虐の詩』『男の操』『神様物語』『機械仕掛けの愛』などがある。『シアターアッパレ』『業田良家の「ガラガラポン!日本政治」』など政治風刺漫画も多数手がける。現在、「機械仕掛けの愛」(ビッグコミック増刊号)、「百年川柳」(ビッグコミック・オリジナル)、「それ行け!天安悶」(正論)を連載中。フルデジタル制作に挑んだ新作4コマギャグ漫画『業田良家の「4こわ漫画」Season 1』『20年後に働き者になるナマケモノ』をNEWSポストセブンで公開している。

◆取材・文/池田道大(フリーライター)

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