──先生は、電車で女子高校生の言葉に聞き耳を立てるのが趣味なのだとか。最近、気になる言葉はありますか?
椎名:個人的な思い込みですけど、新しい言葉を使い始めるのは女子高校生なんです。今はコロナで、なかなか観察ができませんけどね。すこし古いんですが、「ぴえん」「ぱおん」は可愛い言葉だなと思いましたね。これらは男女とも使っていて、ジェンダーフリーで使えていいなと思います。誰しも、自分の弱みを出してもっと本音で話せばいいのにと思っているので、こういう感嘆詞は大歓迎です。「させていただく」も、いつか新しい言葉にとってかわられると思うので、どういう言葉が出てくるのか、楽しみです。
◆椎名美智(しいな・みち)/法政大学文学部英文学科教授。宮崎県生まれ。お茶の水女子大学卒業。エジンバラ大学大学院修士課程修了。(お茶の水女子大学大学院博士課程満期退学。)ランカスター大学大学院博士課程修了(Ph.D)。放送大学大学院博士課程修了(博士(学術))。著書に『英語のスタイル』(共著、研究社、2017年)、J.カルペパー、M.ホー著『新しい語用論の世界』(監訳、研究社、2020年)など。
◆撮影/内海裕之