いけ団地の恩師である清水氏は、長崎・大崎高校の監督として、今回の第93回選抜高校野球大会に出場した。1回戦の福岡大大濠戦の前日、いけ団地は清水を激励した。(呪いが降りかからないよう)気を遣って、選手たちと顔を合わせないようにしたのだという。
しかし、会ってしまった。駅の近くを歩いているときに、大崎の球児たちと遭遇し、近寄って来た後輩たちと一緒に記念写真を撮った。撮ってしまったのだ。
清峰時代、いけ団地の呪いの“効力”を身をもって体験していた清水監督は、福大大濠に敗れた試合後、筆者にこんなメッセージを送ってきた。
「本当にもう、池田が最悪のタイミングで来てしまいました(笑)」
いけ団地の呪いはまだ続いている──のか。
取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)