国内

五輪開催中に震災なら 観客がコロナ変異株を地方に拡散するリスクも

五輪開催中に震災が起きると、どんなリスクが?(時事通信フォト)

五輪開催中に震災が起きると、どんなリスクが?(時事通信フォト)

 東京五輪の開催が近づくなか、気になるのが今年に入ってから大きな地震が頻発していることだ。もし開催中に巨大震災が起きたら、各会場が臨時の避難所として活用される可能性もある。

 東京都の五輪招致活動の推進担当課長を務め、五輪会場でもある東京体育館の建設に関わった経験を持つ国士館大学客員教授の鈴木知幸氏がいう。

「新国立競技場は防災を考慮した設計がされており、備蓄倉庫には約8万人分の水や保存食品などが置かれているため、一時的な避難場所としては機能するはずです」

 五輪組織委も「大規模災害発生時、国・自治体から要請を受けた場合には避難場所などの開設・運営可否を組織委内において検討し、対応する予定です」(戦略広報課)としている。

 ただ何万人もが1か所に集まれば、新型コロナの感染リスクが高まる。関西福祉大学教授(渡航医学)の勝田吉彰医師が指摘する。

「WHO(世界保健機関)は『一定期間、限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団』を『マスギャザリング』と呼び、感染拡大の温床になると指摘しています。大勢の観客や被災者が集う状況はまさにマスギャザリングの要件を満たしている」

 人が多い避難所を避け、いち早く自宅に向かおうと考えて「駅」に人が集まる可能性もある。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が危惧する。

「新宿駅や渋谷駅といった都心部の主要ターミナル駅周辺に100万人単位の人が集まる可能性がある。しかし、被災した際の鉄道の復旧には相当な日数がかかるとされています。駅や駅周辺の建物内で大勢の人が長時間にわたって集まることで“3密”の環境が生まれる」

 内閣府の想定では地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1か月程度、開通までに時間を要する可能性があるとしている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト