地方出身の苦学生が東大入学後、“階級差”に劣等感を抱くこともある。
「家庭が経済的に豊かではなく、独学で苦労してようやく合格、田舎から上京したら、クラスメイトには大企業の役員や国立大学教授の子供が珍しくない。しかも多くは開成や筑駒(筑波大学附属駒場高校)、桜蔭など都内の超進学校の出身で、『住む世界が違う』と怖気づく学生も少なくない。
都会の金持ちボンボンが多い東大では、地方で『お山の大将』だった学生ほど劣等感を抱きやすく、学力や家柄で学内ヒエラルキーの最下層にいると自覚した学生が、『いまから頑張っても“下駄”を履いている奴らにかなうわけがない』とくじけるケースもあります」(池田氏)
都内の進学校出身の学生は、高校時代から“横のつながり”もある。原則として有名進学校の生徒だけが在籍を許される進学塾「鉄緑会」などの出身者が入学直後からつるんでいる姿があり、地方出身の学生の疎外感に拍車をかけることもある。
※週刊ポスト2021年4月9日号