ビジネス

中国依存を強める日本経済 政府が恐れる組織的な「不買運動」

日本が中国に「NOと言えない」背景は?(写真は習近平・国家主席。中国通信/時事)

日本が中国に「NOと言えない」背景は?(写真は習近平・国家主席。中国通信/時事)

 中国政府が新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル族に対する弾圧を続けているとされる問題について、米、英、カナダと独、仏、伊などEU(欧州連合)は制裁に踏み切り、オーストラリアとニュージーランドも制裁賛成の共同声明を出している。

 しかし、日本政府はG7(主要7か国)の中で唯一、制裁に加わっていない。菅政権が及び腰なのは、親中派の二階俊博・自民党幹事長と公明党という存在がいるからだとも噂されている。

 さらに、日本が中国に「NOと言えない」背景には、日本経済が中国依存を強めていることも見落とせない。経済ジャーナリストの磯山友幸氏が指摘する。

「コロナで日本経済はとんでもない危機に陥るといわれたが、中国への輸出で助かったというのが現実です。

 日本の2020年の輸出額全体は前年比で10%以上減っているが、中国向けは逆に増えた。とくに自動車、半導体装置などの工作機械、電気計測機器といった日本の基幹産業分野の輸出の伸びが大きい。世界的に生産や需要が落ち込む中で、中国経済がいち早く立ち直ったからです。いまや中国が米国を抜いて日本の最大の輸出国になった」

 そうした関係はこれからさらに強まるという。

「日本が力を入れている脱炭素やカーボンリサイクル技術も、深刻な環境問題を抱える中国市場が最大の買い手になり、中国抜きの経済成長は難しい。だから日本政府としては人権問題で中国と完全に対立するわけにはいかない」(同前)

 日本政府が恐れているのは組織的な不買運動だ。中国では新疆ウイグルでの人権問題を懸念する声明を出したスウェーデンの「H&M」や米国「ナイキ」製品への不買運動が広がり、SNSでは無関係の日本の衣料メーカーをターゲットにする動きまである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(HP/時事通信フォト)
「私嫌われてる?」3年間離婚を隠し通した元アイドルの穴井夕子、破局後も元夫のプロゴルファーとの“円満”をアピールし続けた理由
NEWSポストセブン
小野田紀美・参議院議員(HPより)
《片山さつきおそろスーツ入閣》「金もリアルな男にも興味なし」“2次元”愛する小野田紀美経済安保相の“数少ない落とし穴”とは「推しはアンジェリークのオスカー」
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン
記者会見を終え、財務省の個人向け国債のイメージキャラクター「個子ちゃん」の人形を手に撮影に応じる片山さつき財務相(時事通信フォト)
《つけまも愛用》「アンチエイジングは政治家のポリシー」と語る片山さつき財務大臣はなぜ数十年も「聖子ちゃんカット」を続けるのか 臨床心理士が指摘する政治家としてのデメリット
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(時事通信フォト)
「濡れ髪にタオルを巻いて…」森下千里氏が新人候補時代に披露した“入浴施設ですっぴん!”の衝撃【環境大臣政務官に就任】
NEWSポストセブン
aespaのジゼルが着用したドレスに批判が殺到した(時事通信フォト)
aespa・ジゼルの“チラ見え黒ドレス”に「不適切なのでは?」の声が集まる 韓国・乳がん啓発のイベント主催者が“チャリティ装ったセレブパーティー”批判受け謝罪
NEWSポストセブン
高橋藍の帰国を待ち侘びた人は多い(左は共同通信、右は河北のインスタグラムより)
《イタリアから帰ってこなければ…》高橋藍の“帰国直後”にセクシー女優・河北彩伽が予告していた「バレープレイ動画」、uka.との「本命交際」報道も
NEWSポストセブン
歓喜の美酒に酔った真美子さんと大谷
《帰りは妻の運転で》大谷翔平、歴史に名を刻んだリーグ優勝の夜 夫人会メンバーがVIPルームでシャンパングラスを傾ける中、真美子さんは「運転があるので」と飲まず 
女性セブン
安達祐実と元夫でカメラマンの桑島智輝氏
《ばっちりメイクで元夫のカメラマンと…》安達祐実が新恋人とのデート前日に訪れた「2人きりのランチ」“ビジュ爆デニムコーデ”の親密距離感
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン