アルコールランプはいま
卒業式の風景も様変わりした。中学校の卒業式の定番だった「仰げば尊し」もずいぶん前から歌われなくなっている。
「教師が生徒より上という考え方に則った歌詞だからダメだという反発があったようです」(前出・城ヶ崎氏)
現在は、1991年に埼玉県の中学校教員が作詞・作曲した「旅立ちの日に」が定番になりつつある。
安全やプライバシー、人権への配慮から、学校からはさまざまなモノが姿を消しているが、それで失われるものもある。
「校庭遊具は遊びの中で体力や運動的技量、反射神経を鍛えるものですが、今の子は昔に比べそうした能力が落ちている。学校から消えたモノの多くが、親からのクレームが理由ですが、子供の安全を最優先に考えれば致し方ない面があるのかもしれません」(教育評論家・石川幸夫氏)
遊具が消えて校庭は広くなったように見えても、その内実はなんとも窮屈なものなのかもしれない。
※週刊ポスト2021年4月16・23日号