結局男は、上野千鶴子氏

離婚は思いとどまった方がトクと語る、上野千鶴子さん

下重:その手に乗ってはダメ! 度重なる女性蔑視発言もなぜ学ばないのか不思議ですが、結局、男って、わかってるようでわかってないんですよ。

上野:いつの時代もそうですよ。

下重:私のつれあいも、世間一般においてはリベラルな男だと思います。でも例えば、夫婦別姓について女性が、私がどう感じているかという不快さについてはまったくわかってない。ずっと旧姓の「下重」で仕事をしてきたけど、それでも身分証明書と名前が違うことの不便さや、本来の姓がこの世に存在しない不快な気持ちは理解できない。私は死ぬまでに、どうしても自分の名前を取り戻してやりたいと思っているんです。

上野:離婚されるということ?

下重:やむを得ない場合は。死ぬまでに籍を抜こうと思っているわけです。もしつれあいが先に亡くなったら、その後に旧姓に戻せますけど。

上野:離婚は思いとどまった方がトクですよ。日本は家族主義だから、法的に他人になると、相続の手続きが大変。

下重:上野さんは施設に入らず「在宅ひとり死」を目標にされているとか。著書『在宅ひとり死のススメ』に書いてらっしゃることは、まさに理想。私も以前から在宅で死にたいと思っているの。子供や孫、親戚とか大勢に看取られて亡くなるのが幸せだって、よく言うじゃないですか? 私はひとりで静かに息を引き取りたい。

上野:わかります! ひとりで亡くなるって寂しいことじゃありません。「孤独死」って言葉はやめていただきたい。一方で、「幸せな老後」を過ごしたいとか「前向きに生きる」ってよく言いますけど、そもそもこの年齢で幸せとか前向きとかウソっぽい。「機嫌よく」生きられればいいと思いません?

下重:そうそう。自分を愛しみながら生きられたら充分。人は生まれてくるときはひとりだし、亡くなるときもひとりだから。

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