ウェアラブルデバイスが爆進
稼ぎ頭のスマホが大ブレーキとなったファーウェイだが、消費者部門全体で見ると、売上は3.3%増の4829億元(約8兆1100億円)をキープしている。タブレットやパソコン、それにウェアラブルデバイスが爆発的に売れたのが要因なのだとか。胡厚崑(ケン・フー)輪番会長は決算発表会で、それらの製品が前年比65%増の爆発的成長を記録したと明かしている。
他の事業分野を見てみると、電話会社部門は0.2%増の3026億元(約5兆800億円)と安定。5G技術で世界トップの実力を持つファーウェイだが、電話会社部門の売上は2016年以後ほぼ横ばいで変わらない。電話会社とのビジネスは一度契約を交わすと長期的な関係が続くだけに、制裁などのアクシデントがあっても大きくは変わらないためだ。
スマホがダメでも他のデバイスで稼いだ消費者部門、例年通り安定した電話会社部門ときて、残る企業向け部門は前年比23%増の1003億元(約1兆6900億円)と大幅に売上を伸ばしている。他部門と比べるともともとの売上が小さいとはいえ、今、ファーウェイが生き残りをかけて注力する部門だ。成長のカギを握るのは、ハードウェアにプラスして、各種のソフトウェアやサービスをセットで販売するソリューションビジネスなのだ。
ファーウェイ・ジャパンの王剣峰(ワン・ジエンフォン)会長は筆者の取材に対し、「製造業出身のファーウェイはどうしてもモノを売るという発想から抜け出せなかったが、ついにサービスもセットにするソリューションビジネスに力を入れるようになった」と説明した。