女性管理職が当たり前となったサントリー
――キャリアを重ねていく過程で、育児と仕事の両立などで悩んだ時はどう乗り越えていったのでしょうか。
吉雄:子供がまだ小さい頃は、やはりそれなりに大変でした。まず、物理的な時間が足りない。私の場合、産休、育休明け直後から、残業やプレッシャーのかかる仕事もこなしながら育児もしていました。
産休、育休明けからフルアクセルで仕事をしていると、周囲は大変だなと思うかもしれませんが、私の場合は最初に頑張ったおかげで、徐々に子育ての時間が楽になり、時間の管理もしやすくなりました。
「育児と仕事の両立が大変な時期もありました」と吉雄氏
――サントリーでは、2030年までに女性管理職を30%にする目標を掲げています。
吉雄:私が課長になったばかりの2006年前後は、サントリーでもまだ幼い子供を抱えた女性課長は珍しかったのですが、その後のリーマンショック以降、共働き世帯が急カーブを描いて増えていったのと比例して、女性課長は当たり前となり、部長もどんどん増えてきています。
――共働き世帯の増加に加えて、この1年、コロナ禍による在宅勤務の定着もあり、夫婦の在り方や子育てや家事の役割分担も変わってきた印象です。
吉雄:コロナ禍前から、朝はお父さんが子供を保育園に送るのが一般的になってきていましたが、テレワークとなり、保育園の送り迎えをお母さんに任せっ放しにする理由がなくなりましたよね。そこはもう、普通に平等になってきてますから、夫婦双方ともに意識が変わったと思います。