4月の3割超えは片岡だけで、2割5分以下の低打率が4人もいる。落合、清原はこの中で最低打率になる。ただ、落合加入の1994年は4月13勝6敗と開幕ダッシュに成功し、“落合効果”という言葉も生まれ、最終的には中日との「10.8決戦」を制して優勝した。一方、清原加入の1997年は4月借金2と低迷。その後、チームは復調することなく、4位に終わった。
FA選手自身が打てなくても、チームが勝てばプレッシャーは軽減していき、徐々に調子も取り戻していく傾向があるようだ。しかし、負けが込めば戦犯扱いされてしまう。この8例のうち、優勝できなかったのは1995年と1997年の2回。両年とも、FA移籍の広沢や清原にV逸原因の矛先が向けられた。
小笠原や丸のように4月に結果を残せれば、その後もスムーズにシーズンを乗り切れる。清原や村田のようにスタートダッシュに失敗すると、重圧が増していき、調子が上がりにくい面もあるのかもしれない。
今年は4月18日終了時点でチームは首位・阪神と3ゲーム差の2位につけ、梶谷は2割3分5厘、2本塁打。打線が湿っていた頃は梶谷への風当たりも強かったが、直近1週間は梶谷の復調とともに打線に活気が出てきて、チームは6試合中4試合で5得点以上を叩き出し、5勝0敗1分だった。
裏を返せば、梶谷のバットに懸かる比重が大きいとも言える。プレッシャーを跳ね除け、チームを3連覇に導けるか。