テレビ局には資金力があり、ワイドショーはお金を気にすることなく自由に取材できる時代だった。
「1990年代後半くらいから、テレビ番組の制作費も減ってきた。直撃取材の効率は良くないから、どんどんなくなっていきました。張り込んでも、放送されるのはほんの一部。形になればまだいいほうで、空振りがほとんどなわけですから」(前出・芸能記者)
レポーター陣に突撃されなくなった芸能人は会見を開く必要がなくなった。FAXやホームページなどで“公式コメント”を発表し、ワイドショーがそれを取り上げ、スタジオでコメントする形式が増えていった。
「主導権は、昔はワイドショー側にありましたけど、今はタレントや事務所側にある。会見は絶滅状態で、稀にあるくらい。だから、今回の近藤さんの不倫報道を契機とした活動自粛、退所発表もコメントで済ますことができた。1980年代なら、不倫発覚の時点で仕事場などにレポーターが押し掛け、会見を開かざるをえなかったでしょう。
今は、テレビカメラの前でレポーターに追及されることはほとんどなくなった。たしかに、昔はやり過ぎだった面もある。とはいえ一方で、会見がタレントに有利に働くこともある。文章による公式発表だけでは表情が見えてこない。近藤さんも会見を開いていれば、東山さんがここまで断罪することもなかったのでは」(前出・芸能記者)
マッチはこのまま、さりげなく生きていくのか。