かつてなら「言った」「言わない」の水掛け論になったことでも、デジタルはあらゆることを記録するので言い逃れのしようがない。最近も東京五輪の開会式の責任者が、女性芸能人にブタを演じさせるプランを提案したLINEのやりとりが流出して大きな騒動になり、辞任しました。いまやあらゆる言動に危機管理が必要で、いつ足元をすくわれるかわかりません。

 評判社会では、自分のいい評判をたくさん集めるだけでなく、ネガティブな評判をできるだけ少なくすることが必要になります。このリスクを避けるのは難題ですが、カギとなるのはアカウンタビリティ(説明責任)だと思います。

 不倫を声高に批判しながら、自分自身は不倫しているようなダブルスタンダードは最悪で、これは説明のしようがありません。SNSの評判社会では、こうした失態はいつまでもついてまわりますから、そのダメージは計り知れないものになります。

 それに対して、事業に失敗したとしても、「最善を尽くしたけれどこういう理由でうまくいかなかった」と説明できるなら、「勇気あるチャレンジ」「貴重な経験をした」と評価されるかもしれません。

 証拠が残るデジタル時代には、嘘やごまかしは通用しません。だからこそ、常に自分の言動を「アカウンタブル」にしておかなくてはならない。仮にポリティカルコレクトネスに反したと見なされても、「なぜそんなことをしたのか」と問われたときにちゃんと説明できれば、炎上したり大騒動になったりすることはないでしょう。

 もちろん私は、すべての人がこのような高い危機管理能力や言語(説明)能力を持てるようになるなどとは思いません。これからも多くの人が評判社会の罠に落ちて、社会的に抹殺(キャンセル)されることになるでしょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
結婚を発表したPerfumeの“あ~ちゃん”こと西脇綾香(時事通信フォト)
「夫婦別姓を日本でも取り入れて」 Perfume・あ〜ちゃん、ポーター創業の“吉田家”入りでファンが思い返した過去発言
NEWSポストセブン
(写真右/Getty Images、左・撮影/横田紋子)
高市早苗首相が異例の“買春行為の罰則化の検討”に言及 世界では“買う側”に罰則を科すのが先進国のスタンダード 日本の法律が抱える構造的な矛盾 
女性セブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン