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2021.05.09 07:00  NEWSポストセブン

作家・橘玲から若者たちへ 来たるべき「残酷な評判社会」を生き抜く術

 かつてなら「言った」「言わない」の水掛け論になったことでも、デジタルはあらゆることを記録するので言い逃れのしようがない。最近も東京五輪の開会式の責任者が、女性芸能人にブタを演じさせるプランを提案したLINEのやりとりが流出して大きな騒動になり、辞任しました。いまやあらゆる言動に危機管理が必要で、いつ足元をすくわれるかわかりません。

 評判社会では、自分のいい評判をたくさん集めるだけでなく、ネガティブな評判をできるだけ少なくすることが必要になります。このリスクを避けるのは難題ですが、カギとなるのはアカウンタビリティ(説明責任)だと思います。

 不倫を声高に批判しながら、自分自身は不倫しているようなダブルスタンダードは最悪で、これは説明のしようがありません。SNSの評判社会では、こうした失態はいつまでもついてまわりますから、そのダメージは計り知れないものになります。

 それに対して、事業に失敗したとしても、「最善を尽くしたけれどこういう理由でうまくいかなかった」と説明できるなら、「勇気あるチャレンジ」「貴重な経験をした」と評価されるかもしれません。

 証拠が残るデジタル時代には、嘘やごまかしは通用しません。だからこそ、常に自分の言動を「アカウンタブル」にしておかなくてはならない。仮にポリティカルコレクトネスに反したと見なされても、「なぜそんなことをしたのか」と問われたときにちゃんと説明できれば、炎上したり大騒動になったりすることはないでしょう。

 もちろん私は、すべての人がこのような高い危機管理能力や言語(説明)能力を持てるようになるなどとは思いません。これからも多くの人が評判社会の罠に落ちて、社会的に抹殺(キャンセル)されることになるでしょう。

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