東京五輪をめぐる小池都知事包囲網
ワクチン接種に動員されている保健所長経験者が語る。
「どの自治体も高齢者への接種を8月までに終わらせる体制をつくるので精一杯。厚労省は接種の人員不足をカバーするために例外的に歯科医師による接種や薬剤師の協力を可能にするように通達を出しているほど。それを1か月早めて五輪に間に合わせろというのは無理です。おまけに医師と看護師を五輪に動員するなんてやっていることが矛盾している」
これでどうやって五輪による感染拡大リスクを防げるというのか。
自民党内からは「政府としてはここに至っては『毒を食らわば皿まで』で五輪をやるしかない。もし、五輪で東京の感染者が増えれば、一番批判を浴びるのは小池だ。都知事辞任に追い込まれる可能性もある。丸川はそこまで計算して今のうちに小池の対策不足を強調しているんだろう」(東京都連ベテラン議員)という見方まである。
写真/時事通信フォト、共同通信社
※週刊ポスト2021年5月21日号