何かというと日本刀を持ち出す白川は、「やってやる本物の家康!!」と大張り切りで、ADとなった本物家康から聞き出したリアルなエピソードを活かしたドラマを目指すが、その中身は地味でトホホな話ばかり。「盛ってもいいから」とカッコよくしてほしい本物家康の願いもむなしく、かつてない「スケールの小さい家康」ドラマは視聴率も最小スケール。打ち切りの危機!?
脚本・監督は細川徹。どこまでもコメディなのだが、ポイントは本物家康も白川も大真面目ということだ。本物家康は大きな葵の御紋のマークが入ったトレーナーに腰にはガムテと脇差というスタイルで現場を走り回り、白川も時代劇スターとは思えないシーンにも挑戦。面白いのはそんなふたりの努力の横で「よろぴく~」とか「じゃ、ザギン行こうよ」とか調子のいいことばかり言う小河の名物プロデューサー(山崎銀之丞)なのだ。
しかし、本当のポイントは、よくよく見るとこのドラマから、時代劇への思いやトホホ武将の底力、人柄がじわじわと伝わってくることだ。これなら、家康公も許してくれるだろう。
なお、過去の小河ドラマでは信長も龍馬も三宅弘城だった。それでいいのか? いいのである。小河といえば三宅、三宅といえば小河。まだまだ情けないエピソードを抱えた“小河になりそうな偉人”も多数いるので、「次」にも期待したい。